[東京 16日 ロイター] - 河野太郎行革担当相は16日、新型コロナウイルスワクチンの供給に関して記者会見を行い、100医療機関で4万人の医療従事者を対象に17日から先行接種を開始すると述べた。高齢者受け接種は4月に開始するが、スケジュールの詳細は供給量確保後に明らかにする。一般国民を対象とした接種時期は明示せず、供給予定が未定で困惑する自治体などに陳謝した。
<ファイザー第2便来週到着>
日本政府は新型コロナワクチンに関して米ファイザー、英アストラゼネカ、米モデルナの3社から供給を受ける予定。うち国内で承認が下りたのはファイザーのみで、先週欧州連合(EU)からファイザー社製ワクチンの第1便が到着、6万4350の容器が届き、来週第2便が到着すると述べた。
先行して接種する4万人の医療従事者のうち2万人は継続的に観察日誌をつけワクチンの安全性を調査する。2回目の接種は3月10日以降という。
ワクチンは医療従事者と高齢者などが先行接種する予定。厚労省は医療従事者について全国370万人と試算しているが、今後都道府県の調査を踏まえ、「各都道府県に配付する必要なワクチンの量を今週中にも決定したい」と述べた。
<自治体にスケジュール示せず陳謝>
高齢者向け接種は、4月に開始し「2カ月と3週間(で接種を終えること)を目標としている」としつつ、高齢者向け接種が終了し、一般の人々の接種が可能な時期については現時点では明示しなかった。
ワクチンの接種スケジュールは「供給体制が左右する」とし、「自治体が必要としているスケジュールを示せず、もどかしい。接種開始日がわからず自治体の準備が整わないのはひとえに私の責任」と陳謝した。
スケジュールに関して1月、坂井学官房副長官が6月までに全国民に必要な数量の確保は見込んでいると発言した後、河野氏がスケジュールは決まっていないと発言した経緯がある。河野氏は会見で「政府の基本的な対処方針は、今年前半までに国民に必要な数量のワクチンの確保を目指すということで変わっていない。ワクチンの確保を目指すと申し上げており、接種の時期について申し上げたことはない」と述べた。
ファイザー製ワクチンの1瓶から6回分の接種を前提としており、そのために必要な特殊な注射器については「先行接種の4万人分は確保した」とのみ回答し、確保状況の詳細は説明しなかった。
(竹本能文)