[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリア統計局(ABS)が21日発表した4月の小売売上高(速報値)は前月比1.1%増加し、市場予想の0.5%増を上回る伸びとなった。食品小売業の増加が寄与し、豪経済が堅調な回復軌道にあることが改めて確認された。
前年比では25%増加。新型コロナウイルス流行に伴う2020年初めのロックダウン(都市封鎖)により、比較ベースとなる前年同月は大幅に売り上げが減っていた。
4月は百貨店を除く全産業で売り上げが増加。カフェやレストラン、食品の持ち帰りサービス、家庭用品といったカテゴリーが堅調だった。
地域別では、人口が多いニューサウスウェールズ州とビクトリア州が伸びをけん引。シドニーとメルボルンが押し上げた。一方、ロックダウンを背景に西オーストラリア州は1.5%減となった。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ベン・ウディ氏は「4月の堅調な伸びは消費の回復が2021年さらに続くことを示している。カフェやレストランでの支出が多くなっていることは、向こう数カ月の消費の伸びがモノの消費というよりもサービス消費の増加に支えられるというわれわれの見方を裏付けている」と述べた。
速報値は売上高全体の約8割を占める企業によって提供されたデータが基になっている。確報値は6月3日に公表される。