[ロンドン 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)のハルデーン理事は、英企業が直面しているコスト面の圧力により、賃金と物価のスパイラル的な上昇が発生する可能性があると警告した。
オンラインインタビューで、「このような価格圧力が所得に浸透し、1970年代や80年代に見られたような『賃金・物価』スパイラルが、同じ規模ではないもののそれに近い規模で発生する可能性がある」と述べた。
ただ、他の政策担当者は今後のインフレ高進は一過性なものである可能性が高いと強調している。ハルデーン理事は6月の金融政策委員会(MPC)後に退任する予定。
米金融大手シティグループと調査会社ユーガブは28日、5月の今後1年間のインフレ期待が2.7%と4月の2.8%から低下したと発表。シティのエコノミストは「景気見通しが改善してもインフレ期待を高めるには至っていない」とし、「家計のインフレ期待はなお大幅に抑制されている。パンデミック(世界的大流行)前に見られた上振れリスクは足元では緩和されている」とした。