[2日 ロイター] - 米財務省当局者は2日、米国が提唱する法人税の国際的な最低税率について、主要7カ国(G7)の財務相が4─5日にロンドンで開かれる会合で支持する見込みだと明かした。
この当局者は、今回のG7会合が7月にイタリアで開催される20カ国・地域(G20)財務相会議に向けて、法人税を巡る世界的な協議を前進させる勢いになるよう期待していると、電子メールの声明で述べた。G7首脳会議で承認される見通しという。
アデエモ米財務副長官は先月下旬、ロイターの取材に応じ、法人税の国際的な最低税率を15%以上とするバイデン政権の提案について、G7の力強い支持を見込んでいると述べた。
今回のG7会議は、昨年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)発生以降で初めて対面方式で開かれる。
ドイツのショルツ財務相は2日、ロイターのインタビューに応じ、ロンドンのG7会議では、デジタル課税の国際ルールづくりを含め、国際法人税の問題で「大きな進展」が得られると予想した。
複数の国は既に、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アルファベット傘下グーグルなどの米IT(情報技術)大手を対象に、独自のデジタルサービス税を導入。米国は報復措置を予告した。
米政府はデジタル課税が米企業を不公平に扱うものであってはならないとし、国単位のデジタルサービス税の全面禁止を訴えてきた。デジタル課税に代わり、業種やビジネスモデルに関係なく、利益率を基準にして世界の多国籍企業上位100社を対象に課税を強化する案を示した。
英国のスナク財務相は2日、ロイターのインタビューで、この米提案は交渉の打開につながり得ると指摘。ただ、対象企業にIT大手を含め、事業を展開する国で課税を強化する必要性を強調した。