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アングル:対中関係で「責任」示せるか、米政権が首脳協議へ準備

発行済 2021-10-23 07:11
更新済 2021-10-23 07:18
© Reuters.  10月21日、米ホワイトハウス当局者らは、バイデン米大統領と中国の習近平国家主席のオンライン協議に向けて準備を進めている。写真は20日、ペンシルベニア州スクラントンを訪

[ワシントン 21日 ロイター] - 米ホワイトハウス当局者らは、バイデン米大統領と中国の習近平国家主席のオンライン協議に向けて準備を進めている。米政府が責任を持って対中関係をコントロールできることを世界に示す狙いだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。

バイデン政権は発足当初に中国と外交面で激しい応酬を繰り広げ、同盟国の間に不安が走った。このため米当局者は両国関係が紛争に発展するのを食い止めるには、習氏との直接的な対話が最も有効な手段だと考えている。

関係者2人によると、中国国内では新型コロナウイルスに対応した制限措置が敷かれ、習氏が海外渡航に消極的なため、米政府は首脳会談を11月にオンライン形式で開くことを目指している。ただ、計画はまだ検討段階にある。

この関係者によると、首脳会談のテーマが固まるのは同盟国との協議後となる見通し。30─31日にイタリアのローマで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議や今月末から英グラスゴーで開催される気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が同盟国との協議の場になりそうだ。

バイデン氏は両会議に出席するが、習氏は対面で出席しない見通し。

米中両国政府は新型コロナウイルスの「震源地」や中国の核兵器増強などさまざまな課題を巡って対立しており、首脳会談の課題は大きい。しかしバイデン氏のチームはこれまでのところ、具体的な成果については期待を低く設定しており、どのような議題が取り上げられるかについても明言を避けている。

ある政府高官は「まだオンライン協議の詳細を詰めている段階であり、今の時点で明らかにできることはない」と述べた。

複数の関係筋が匿名を条件に明かしたところによると、今回は協議を行うこと自体が大きな成果となりそうだ。長期にわたる「戦略的競争」に安定をもたらすことが期待されているという。

ブルッキングス研究所のスーザン・ソーントン氏(元国務省アジア担当高官)は、首脳協議がコミュニケーションの空白を埋め、いまだに「下降スパイラル」に陥っている両国関係の悪化に歯止めをかける可能性があると述べた。

トランプ前政権との通商紛争で中国の当局者は、話し合いを求めているのは米国側だと示唆することで、優位に立とうとしてきた。米政府は今、米国が責任ある大国であることを示そうとしており、9月9日のバイデン、習近平両氏の電話会談の後には、バイデン氏が対話を開始したと報道陣に伝えることで、トランプ氏時代の流れを変えた。

バイデン政権発足から間もない3月、アラスカ州で開かれた米中高官協議で激しいやり取りが交わされ、同盟国の懸念を招いた。その後ブリンケン米国務長官は欧州で、米国はNATO(北大西洋条約機構)のいかなる同盟国に対しても米国と中国の間で二者択一を迫ることはないと説明せざるを得なくなった。

アジアの外交筋はアラスカ協議以降の米中関係について、「世界中の誰もが少し不安を感じていた」と話した。

物言いをトーンダウンすることは習氏にとっても意味がある。冬季北京五輪や、自身の3期目人事案がかかる来年の共産党大会など重要なイベントを円滑に乗り切りたいからだ。

この外交筋は「2つのイベントをどちらも支障なく進めるには、米中関係をある程度うまく収める必要がある。習氏にとって国内で非常に重要な1年間に衝突のリスクを最小限に抑えるのだ」と述べた。

ただ、米当局者は、両国は多くの点で対立しており、関係が「雪解け」したと見るのは間違いだとくぎを刺した。

バイデン政権は最近、中国の核開発の証拠や極超音速ミサイルの開発に懸念を示し、中国が台湾を威嚇するために軍事活動を活発化させていると非難した。

次期米駐中国大使に指名されたバーンズ元米国務次官も20日、上院外交委員会の指名承認公聴会で中国を「米国にとって最も危険な競争相手」と呼び、強硬姿勢を露わにした。

(Trevor Hunnicutt記者、David Brunnstrom記者、Michael Martina記者)

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