[ソウル 2日 ロイター] - 韓国統計局が2日発表した10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.2%と、2012年1月以降で最高となった。石油製品、家賃、外食費が値上がりした。市場では利上げ観測が強まっている。
ロイターがまとめた市場予想と一致した。9月は2.6%だった。
中銀の目標である2%を7カ月連続で上回った。
内訳では、石油製品の価格が27.3%上昇。家賃は1.8%、外食費は3.2%、宿泊費など他のサービス価格は2.3%、それぞれ上昇した。
今回の統計を受け、今月25日の中銀金融政策決定会合では追加利上げを求める声が強まるとみられる。中銀は8月、新型コロナウイルス流行後初となる利上げを約3年ぶりに実施した。
中銀の李柱烈総裁は先月、25日の金融政策決定会合で政策金利を引き上げる可能性があると述べた。
中銀は今年のインフレ率を2.1%、来年を1.5%と予測しているが、25日の政策決定会合で予測の修正が発表される見通し。
10月のコアインフレ率も前年比2.4%と、15年12月以降で最高となった。9月は1.5%だった。
10月のCPI上昇率は前月比では0.1%。9月の0.5%から鈍化したが、市場予想と一致した。
韓国中銀は2日発表した声明で、石油価格の上昇や内需回復が物価圧力を押し上げており、21年のCPI上昇率は8月予想の2.1%を上回るとの見通しを示した。
「(政府による昨年の)携帯利用料金補助というベース効果が薄れ、石油税引き下げ実施に伴い、消費者物価の伸びは徐々に鈍化するとみられるが、現時点で2%を超える可能性がある」と述べた。
その上で、原材料価格の上昇や世界的な供給制約がしばらく続き、インフレ圧力を押し上げる可能性に懸念を示した。