[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコ統計局が3日発表した10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比19.89%で、2019年初め以来、約2年半ぶりの高水準だった。市場予想の20.4%は下回った。
中央銀行は政策金利を16%に引き下げており、実質金利のマイナス幅が一段と拡大した。
前月比では2.39%上昇で、こちらもロイター調査の予想(2.76%)を下回った。
生産者物価指数(PPI)は前月比5.24%上昇、前年比46.31%上昇だった。
中銀は9月に緩和サイクルを開始して市場を驚かせ、政策金利を300ベーシスポイント(bp)引き下げた。通貨リラは最安値に下落した。
中銀はエルドアン大統領からの金融緩和圧力に直面。インフレ上昇圧力は一時的とし、経常黒字達成の必要性を強調した。アナリストは、利下げは危険な間違いと指摘している。
エネルギーや食品などを除いたコアインフレ率は16.82%と、前月の17%付近から低下した。
キャピタル・エコノミクスのシニア・エマージング・マーケット・エコノミスト、Jason Tuvey氏は「コアインフレ率が小幅低下したことと、中央銀行に対する政治的な圧力があることから、さらなる利下げが行われる可能性がある」との見方を示した。
年間のインフレ率は過去13カ月中で12カ月上昇しており、9月は19.58%だった。公式のインフレ目標は5%。中銀は年末までに18.4%に低下すると予測している。
しかしエコノミストらは、政府が財政出動を計画していることから、今後数カ月間に物価上昇圧力が一段と強まる可能性があるとみている。また、リラ安もインフレを助長する可能性がある。リラは年初来で約23%下落している。