[9日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は9日、労働市場の実態とインフレの行方は2022年半ばまで明確にならないとし、それまで忍耐強くなくてはならないとの考えを示した。
デイリー総裁は全国企業エコノミスト協会(NABE)が主催したオンライン会議で、労働市場が引き締まっているのか、より多くの人が参加することでさらに拡大する余地があるのか、明らかになるまで時間がかかると指摘。労働市場を巡る先行き不透明性が著しく高く、新型コロナウイルス感染拡大が物価上昇の主な要因になる中、現時点では慎重に情勢を見守ることが最善策となると述べた。
その上で、新型コロナの新たな変異株が出現するなどしなければ、「情勢は22年夏に幾分か明確になるとみている」とし、忍耐強くある必要性を指摘。連邦準備理事会(FRB)が過度に早い時期に利上げに踏み切れば、物価の引き下げにほとんど効果がないだけでなく、雇用増のペースが鈍化するとし、「長期化するトレンドかどうか分からないときに、取るリスクとしては大きすぎる」と語った。