[ザンクト・ガレン(スイス) 9日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のメクラー理事は、スイスフランの上昇を抑制するために外為市場に介入する「用意が常にある」と述べた。ただ、売り介入を開始する具体的な水準はないとした。
ザンクト・ガレンでのイベントで、介入に向けた障壁は何かと問われ「場合による。重要な問題であり現在も分析を続けている」と応じた上で、「一つ確かなのは、われわれには市場に介入する用意が常にあるということだ」と語った。
また「(介入のめどとなる)水準があるわけではなく、水準は変化する」と述べ、フランの水準がスイス経済にとってどのような意味を持つのかを常に検討しているとした。
対ユーロでのフランが最も重要としながらも、考慮すべき通貨ペアはそれだけではないと言及。スイス中銀はフランの評価の背景にある要因と、それがスイスの金融情勢にどのような意味を持つのかの理解に努めているとした。
さらに、考慮すべき重要な要素には為替レートがどれだけ早く動くかということが含まれているとしたほか、不確実性が高まった場合に、フランは依然として安全通貨として扱われているとの認識を示した。
このほか、インフレ率が比較的低いスイスに比べ、海外ではインフレ率が非常に高水準となっているため、実質的にフランがやや強含むことが予想されるとし、「この状況を注視している」とした。