[メキシコ市 11日 ロイター] - メキシコ中央銀行は11日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、5.00%とした。利上げは予想通りで4会合連続。決定は4対1と、全会一致ではなかった。
中銀は声明で「インフレ増大につながっている衝撃はおおむね一過性と考えられているものの、影響が及ぶ可能性のある範囲は不明」と指摘。かなりの規模の影響が幅広い商品に及ぶ恐れがあり、価格形成プロセスやインフレ期待へのリスクになるとし、目標を超えて推移するインフレに懸念を表明した。
第4・四半期の総合インフレ率見通しは6.8%、コアインフレ率見通しは5.5%とし、前回見通しの6.2%、5.3%からそれぞれ引き上げた。
今後の会合では「インフレ圧力の動向およびインフレ見通しやインフレ期待に影響を及ぼす全ての要因を徹底的に精査する」とした。
さらに暫定データからは、メキシコ経済が第3・四半期に縮小した可能性が示されているとしつつも、第4・四半期から回復が始まると予想。「セクター間に大きな格差が存在する中、不透明な環境が続き、停滞した状況が想定される」とした。
10月のインフレ率は前年比6.24%に加速し、中銀目標の3%(プラスマイナス1%ポイント)を大幅に上回った。
キャピタル・エコノミクスの新興市場担当首席エコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は、メキシコ中銀は25bpの利上げを継続し、政策金利が6%に達した時点で引き締めサイクルを終了させる可能性が高いと指摘した。
その上で、メキシコ中銀は、他の中南米諸国の中銀のように引き締めペースの加速にさほど積極的ではないとの見方を示した。
ブラジル中銀は10月下旬の会合で金利を150bp引き上げた。3日に公表された議事要旨では、中銀が150bp以上の利上げを検討していたことが明らかになった。