[リスボン 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのセンテノ・ポルトガル中銀総裁は20日、インフレを巡る「不確実性」が存在するとし、常に注視する必要があるとの考えを示した。ただ、新型コロナウイルス感染の再拡大を受け欧州で導入されている抑制措置は物価上昇につながらないとの見方を示した。
センテノ総裁は記者団に対し、感染再拡大への対応で導入されているロックダウン(都市封鎖)などの措置による影響は懸念されるものの「物価上昇にはつながらない」と指摘。ただ「引き続き警戒する必要がある」と述べた。
その上で、インフレは一般的に、エネルギー価格の上昇や供給網の混乱など一過性の要因に極めて大きく依存すると指摘。「パンデミック(世界的大流行)の経済への影響はなお続いている。パンデミックによる経済、財政への影響は時間が経たないと判明しない」と述べた。
ポルトガル中銀は20日に公表した金融安定報告で、回復が途上にあるときに金融政策を尚早に正常化すれば経済にマイナスの影響が及ぶため、欧州中央銀行(ECB)は「複雑な」状況に置かれているとの見解を示した。