[ワシントン 13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は13日、上院銀行委員会で開かれた副議長昇格に関する公聴会で証言を行い、現在の景気拡大の継続に向け、約40年ぶりの高水準にあるインフレ率を制御することがFRBの「最重要の責務」との考えを示した。
ブレイナード氏は「これまでの約50年間の景気回復局面の中で、最も強い成長と失業率の低下が見られている」と指摘。ただ「インフレ率は高すぎる」とし、「FRBの金融政策は、誰もが恩恵を受ける景気回復を維持しながらインフレ率を2%に戻すことに重点を置いている。これがわれわれの最も重要な責務だ」と述べた。
その上で、3月に想定される量的緩和の縮小(テーパリング)終了「次第」、FRBは年内に複数回の利上げを開始できると言及。「買い入れが終了すればすぐに利上げする態勢にあると考えている。また年内のデータによって求められるものを確認する必要がある」とした。
さらに、現在の高インフレの波が今後数四半期継続すると予想した。
上院銀行委員会の共和党最有力者であるトゥーミー議員は、FRBが気候変動に関する調査・分析を強化していることを支持しているブレイナード氏の副議長就任は炭素集約型産業からの「資本逃避の前兆だ」と主張したが、ブレイナード氏は「私は気候変動に関するストレステストを実施すべきと提案したことはない」と反論。「われわれはどの分野に融資するかしないかを銀行に指示することはない。ただ、銀行が重要なリスクを評価・監視していることを確認したいと考えている」と述べた。公聴会の終了間際には、FRBは「環境政策を行わない」と表明した。
大手銀行を対象にした自己資本規制である「補完的レバレッジ比率(SLR)」については、「金融システム内の準備金が大幅に増加しているためSLRを調整する方法を模索するのは理にかなう」とした。
ブレイナード氏に先立ち、パウエルFRB議長が11日に同委員会で開かれた議長再任指名に関する公聴会で証言。ブレイナード氏の証言内容はパウエル氏の発言内容に沿ったものだった。