[東京 14日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は14日の閣議後会見で、2025年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を達成するには社会保障費など歳出改革が必要との見方を示した。また「財政再建の旗を高く掲げる」とも述べた。
政府は同日の経済財政諮問会議で中長期の財政試算を示し、PB黒字化達成年度を従来の27年度から26年度に一年前倒しするとともに、歳出改革次第で25年度にも達成可能として同年度に黒字化を実現するとの従来からの財政再建目標は変更不要との考えを示した。
鈴木財務相は「財務省としても、確認された方針に沿って25年度黒字化に向けてしっかりいかないといけない。(黒字化実現には)経済成長とともに、さまざまな歳出・財政改革を、社会保障費をはじめ、合わせて行わないと実現できない」と強調した。
父の鈴木善幸元首相は増税なき財政改革を進めたことについて問われ、鈴木財務相は「増税なき財政改革、40年経った今もその重要性は変わらない。(財政)状況を考えると、当時よりさらに重要性は増している」と指摘。その上で「きょうの(財政試算)結果も踏まえ、しっかりと財政健全化の旗を高く掲げ、それに向けて努力していきたい」と述べた。