[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米大手銀行は、米個人の消費および借り入れ意欲は旺盛で、新型コロナウイルス禍を受けた政府の財政出動効果で預金残高も増えているとし、米経済の先行きに楽観的な見方を示している。
コロナ禍で米個人消費は大幅に落ち込んだ。一方で、政府の補助金で多くの家計は債務を返済した。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)によると、2021年に同行の顧客6700万人が支出した額は3兆8000億ドルで過去最高を記録。パンデミック(世界的大流行)前の19年から24%増加した。
支出総額には、クレジットカードやデビットカード、小口の決済網ACH、電子送金、現金、小切手、「ゼル(Zelle)」などのプラットフォームでの送金など、顧客の取引全てが含まれている。
第4・四半期の支払額は19年比28%増加し、記録的な伸びとなった。支出は1月に入っても続いており、1月17日時点では21年1月同期比11%増だった。
また、ほぼ全顧客の口座の残高が6月から12月に増加したという。
同行のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は19日、「かなりの支出にもかかわらず、平均預金残高は年末まで増え続けており、支出余力はかなりある」と述べた。
JPモルガン・チェースによると、21年第4・四半期のデビットカードとクレジットカードを合わせた支出額は19年同期比27%増加した。旅行や娯楽関連支出は13%増えた。
ウェルズ・ファーゴも、第4・四半期のクレジットカードの支出と口座残高(中央値)がともにコロナ禍前の水準から27%増加したと発表している。
米連邦準備理事会(FRB)のデータによると、業界全体のローン残高も自動車や学費などの借入が主導し、コロナ禍の落ち込みから回復している。
シティグループのアナリスト、キース・ホロウィッツ氏は「こうした結果を見ると、融資拡大傾向について一段と楽観的になれる」と述べている。