[ソウル 23日 ロイター] - 韓国大統領府は23日、韓国銀行(中央銀行)の次期総裁に国際通貨基金(IMF)の李昌ヨン(イ・チャンヨン)アジア太平洋局長を指名する人事を発表した。
今月31日に任期を終える李柱烈総裁の後任となる。
文在寅大統領は同指名人事について5月に就任予定の尹錫悦次期大統領と協議したという。
中銀総裁の指名人事に国会の承認は不要だが、議員との質疑応答が行われる予定。
李次期総裁は、中銀がインフレ抑制に向け積極的な利上げを続けるとみられる中、就任することになる。
エコノミストは次期総裁について、現総裁よりタカ派色が薄いが、中銀の従来の路線が大きく変更されることはないと指摘している。
キョボ証券のエコノミストは「過去のコメントやリポートを見ると、どちらかと言えばハト派だが、今の経済情勢では、そうした姿勢を打ち出さないだろう。ただ、理事会のハト派色が強まる可能性はあると思う」と述べた。
次回の中銀理事会は4月14日。市場では政策金利が年内に現在の1.25%から1.75%に引き上げられると予想している。
大信証券は、次期総裁は現総裁よりタカ派色が薄いが、「数回利上げするまでは、その点をあからさまに示すことはないだろう」と述べた。
中銀は昨年8月以降、インフレ圧力と金融不均衡の抑制のため、3回の利上げを実施している。
61歳の李昌ヨン氏は2014年にIMFに入った。アジア開発銀行のチーフエコノミストを務めた経歴がある。企画財政省にも太いパイプがある。