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米長短金利逆転は要警戒、資産縮小討議に反映すべき=カンザスシティー連銀総裁

発行済 2022-03-31 04:26
更新済 2022-03-31 04:27
© Reuters. 3月30日、米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は、米長短金利が一時逆転したことは連邦準備理事会(FRB)にとって警戒すべき兆候だとし、今後のバランスシート管理を巡る

[30日 ロイター] - 米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は30日、米長短金利が一時逆転したことは連邦準備理事会(FRB)にとって警戒すべき兆候だとし、今後のバランスシート管理を巡る議論に盛り込む必要があるとの考えを示した。

米債券市場で29日、2年債の利回りが10年債を上回る「逆イールド」が発生。2・10年債利回りの逆転は景気後退の前兆として注目されている。

ジョージ総裁は、長短金利の一時的な逆転はそれほど懸念していないとし、FRBが短期金利を引き上げていく中、バランスシートの「大幅な」縮小を通して長期金利も引き上げない限り、利回り逆転が発生する可能性はさらに高くなるとの見方を示した。

その上で、FRBによる資産保有で米10債利回りが最大1.5%ポイント押し下げられている可能性があるとし、約9兆ドルに膨れ上がったFRBのバランスシートが金融市場を歪めていると指摘。「バランスシートの大幅な縮小が必要だ」と述べた。

また「政策金利の引き上げと大規模なバランスシートの相互作用を考慮する必要がある」と指摘。「FRBのバランスシートの影響で長期債利回りの低下が続いているときに短期金利を引き上げれば、(長短利回り格差の)フラット化と逆転が助長される」と述べた。

FRBは5月の連邦公開市場委員会(FOMC)後にもバランスシート縮小計画を発表する可能性がある。

短期金利については、インフレ対応に向けFRBは「着実、かつ計画的に」引き上げていく公算が大きいとし、FRBは引き締め的な環境への経済の反応や、ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染状況などの世界情勢による需給と経済成長への影響を見極めていくと述べた。

さらに、米国の中立金利を約2.5%と想定し、FRBが経済に与える影響を評価する中で今後の利上げで目指すべき水準と主張。「経済がどのように展開し、金利政策がどこまで浸透しているのか、最終的にどの程度の利上げが必要なのかを見極める必要がある」とした上で、消費者が予想通りサービス消費に回帰すれば、FRBによる利上げの影響は小さくなるかもしれないとした。

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