[21日 ロイター] - ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は21日、2023年にデジタルルーブルを使った実際の取引を行うと表明した。デジタルルーブルが国際決済でも利用されるとの見通しも示した。
ロシアはウクライナ侵攻を巡る西側諸国の制裁で国際金融システムの大部分から締め出されており、当局は国内外の重要な資金決済を行う代替手段を模索している。
総裁は議会下院で「デジタルルーブルは優先事業の一つだ」と説明。「われわれはかなり迅速にプロトタイプをつくった。現在、銀行と試験を実施しており、来年は徐々に試験的な取引を行う」と語った。
また、米クレジットカード大手のビザやマスターカードがロシア事業を停止する中、当局はロシア独自のカード「MIR(ミール)」の取り扱い国を増やそうとしていると述べた。
ロシアの銀行が国際金融システムから遮断される中、ロシア人が海外で資金決済をする手段はMIRや中国の銀聯(ユニオンペイ)などごくわずかに限られている。
西側諸国はロシアの制裁回避を阻止する取り組みも継続している。