[ワシントン 1日 ロイター] - 米労働省が1日に発表した4月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が減少したものの、レイオフ・解雇件数は過去最低となり、労働市場が引き続き引き締まった状態にあることが改めて示された。
求人件数は45万5000件減の1140万件と、過去最高となった前月の1185万5000件(上方改定)から減少。求人率も7.0%と、前月の7.3%から低下した。ただ、求人はなお高水準にあり、労働力確保に向けた賃上げが続く中、インフレ高進は当面は続くとみられている。
FWDBONDS(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「米経済は減速しておらず、労働市場が引き続き極めて力強いことが示された」としている。
業種別では、ヘルスケアと社会支援が26万6000件減、小売が16万2000件減、宿泊・飲食サービスが11万3000件減。
一方、運輸・倉庫・公益は9万7000件増。非耐久財製造は6万7000件、耐久剤製造は5万3000件、それぞれ増加した。
失業者一人当たりの求人件数は1.92件。3月は2.0件だった。
採用件数は5万9000件減の658万6000件。求人件数が採用件数を73%上回った計算になる。就職を望みながらも職探しをしていない失業者の数を踏まえても差は大きく、ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ソフィア・コロペッキー氏は「求人件数と採用件数との間に大きな差があることは、労働市場が引き締まっていることを示している」と指摘。ゴールドマン・サックスのエコノミストは、労働市場の均衡が回復するまで、賃金の上昇は続くとの見方を示した。
レイオフ・解雇件数は17万件減の124万6000件と、過去最低を記録。
自発的な離職件数は442万4000件と、前月からほぼ横ばい。多くは中小企業でのものだった。