[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコ統計局が3日発表した5月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は73.5%で1998年10月以来、24年ぶりの高い伸びを記録した。エネルギー価格の上昇や通貨リラ安が背景。
項目別では輸送価格が108%上昇、食品も92%上昇した。
CPIは前月比2.98%上昇した。
ロイターがまとめた市場予想は前年比上昇率が76.55%、前月比は4.8%だった。
5月の生産者物価指数(PPI)は前年比132.16%上昇、前月比8.76%上昇だった。
リラはエルドアン大統領の金融緩和志向を受けて昨年対ドルで44%下落し、今年も20%下落している。輸入価格の上昇が企業と家計の負担を重くしている。
CPIの前年比上昇率がエルドアン氏の20年の在任期間中で最も高くなったが、ネバティ財務相は月次インフレ統計は低下傾向にあり前向きな兆候だと指摘した。
同相は以前、インフレ率について、来年の選挙あたりには低金利、高生産・輸出を重視する経済計画のもとで一桁に低下するとの見方を示していた。
しかし5月の貿易赤字はエネルギー輸入コストの急増で前年比157%増加し約107億ドルとなった。
エコノミストは、インフレ率が年内は高止まりするとみている。年末時点の予想中央値は63%で先月の調査の52%から切り上がった。
PolitikYolのコラムニスト、アルダ・タンカ氏は、経済原理を逸脱したような現行の政策で物価高を解決することはできないと述べた。