[バンコク 8日 ロイター] - タイ銀行(中央銀行)は8日に開催した金融政策委員会で、政策金利の翌日物レポ金利を4対3の賛成多数で過去最低水準の0.50%に据え置くことを決めた。また、2022年の経済成長率予測を小幅に上方修正した。
据え置きは市場予想通りで16会合連続。中銀は今年のインフレ率予想を引き上げ、インフレ率は想定よりも長く高止まりするとしたほか、中銀による利上げ決定は経済とインフレの状況に沿ったものになると表明した。
声明文は「委員会は、非常に緩和的な金融政策の必要性は今後低下すると判断している」としつつ、「想定通りに回復が引き続き勢いを増すよう今回の会合では大半のメンバーが政策金利の据え置きに賛成し、今後は成長とインフレに対するリスクを再評価する」と説明した。
据え置きは4対3で決定。3委員は25ベーシスポイント(bp)の利上げを主張した。見解が割れたのは昨年8月以来。
カシコン銀行の資本市場リサーチ担当トップは「不透明感を踏まえると、金融政策委員会は、われわれが以前予想していた2022年第4・四半期ではなく、22年第3・四半期に動くだろう」と指摘。
キャピタル・エコノミクスは、引き締めは緩やかなものになるだろうとし、年内に50bpの利上げがあると予想した。従来予想は年内据え置きだった。
中銀は22年の経済成長率を3.3%と予測。前回の3.2%から引き上げた。
半面、23年については4.2%成長を見込み、前回の4.4%成長予測から下方修正した。
また、22年平均の総合インフレ率見通しを4.9%から6.2%に引き上げた。23年についても前回予測の1.7%から2.5%に修正した。
今年の外国人観光客数見通しについては、前回予想の560万人から600万人に上方修正。23年については1900万人で据え置いた。
さらに、22年の輸出伸び率予測を7.0%から7.9%に引き上げ、来年も1.5%から2.1%に上方修正した。