[シントラ(ポルトガル) 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏市場の分断化防止に向け、ドイツ、フランス、オランダなどの国債の償還から得た資金の一部で、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャなどの国債を購入し、利回りスプレッドの拡大に歯止めをかけることを検討していることが関係筋の話で分かった。
ポルトガルのシントラで開催されたECB年次フォーラムでロイターが話を聞いた複数の関係筋によると、ECBはここ数週間の利回りスプレッド拡大の幅と速度に基づき、ユーロ圏19カ国を「ドナー」、「レシピエント」、「ニュートラル」の3つのグループに分割。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の下で買い入れた「ドナー」国の国債の償還資金の一部を「レシピエント」国に振り向ける。「ニュートラル」国はこうした措置のバッファーとなる。
「レシピエント」国には高債務と低成長でリスクが高いと見なされるイタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなど、「ドナー」国にはドイツ、フランス、オランダなど約6カ国が含まれるという。
ECBはこの3つのグループに振り分けられる国を毎月見直す。
この件に関してECB報道官からコメントは得られていない。