[シドニー 25日 ロイター] - チャーマーズ豪財務相は25日、労働党政権としては10年ぶりとなる予算案を公表した。財政赤字が続くと予想し、歳出を厳しく抑制する方針を示した。
インフレ抑制に取り組むオーストラリア準備銀行(中央銀行)を支援するため、財政はまだ抑制する必要があると訴えた。主要な財政赤字と経済予測は全てアナリストの予想の範囲内だった。
議会で「われわれは現在、過去15年で3回目の世界的な落ち込みに直面している」と指摘。予算案はインフレを助長することなく生活費の負担を軽減し、国民の生活を楽にするものだと述べた。
2023年6月までの1年間の財政赤字は369億豪ドルで、対国内総生産(GDP)比1.5%と予想している。4月時点では779億豪ドルと見込まれていた。
商品価格が落ち着き、ヘルスケアなどへの歳出圧力が高まるにつれて、赤字額は25/26年度までに約500億豪ドルに拡大するとした。
今年のGDP成長率は3.25%となる見込み。23/24年度は金利上昇により失業率が4.5%へ上昇し、成長率は1.5%に減速するとみている。
予算には災害支援のほか、再生可能エネルギー、電力網、電気自動車(EV)関連の支出が盛り込まれた。
政府の借り入れコストが急上昇しており、今後10年間、利払い費が年間14%増加すると見込んだ。
政府債務は今年の9270億豪ドルから25/26年度には1兆1600億豪ドルに膨れ上がると予測されている。しかし対GDP比では43%で経済協力開発機構(OECD)平均の半分以下にとどまる。