[ソウル 24日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は24日、政策金利を予想通り25ベーシスポイント(bp)引き上げて3.25%とした。利上げペースを減速したほか、2023年の成長率予測を引き下げ、金利の先行き見通しに関する表現も変更し、引き締め局面が終了に近いことを示した。
今回の引き上げで政策金利は2012年7月以来の高水準となった。ロイター調査ではエコノミスト30人中29人が25bp、1人が50bpの利上げを予想していた。10月は50bpの利上げを実施していた。
李昌ヨン総裁は会見で、中銀は「当面の間」利上げを継続できると表明。従来は引き締めの期間を示していなかったが、「当面」について説明を迫られ、3カ月間を指していると答えた。ただ、利下げの開始時期を議論するのは時期尚早との認識を示した。
3カ月後以降については「不確実性が高い」とした。
中銀はこれまでで最も積極的な政策引き締めのさなかにある。21年8月に利上げを開始し、新型コロナウイルス禍を受け導入した刺激策の巻き戻しにアジアで先駆けて着手した。今年7月には、1999年に現在の枠組みを採用して以来初となる50bpの利上げに踏み切った。昨年8月以降の利上げ幅は合計275bpに達している。
教保証券の債券アナリストは「引き締めが少なくとも来年2月まで継続するという意味で、引き締めサイクルが第1・四半期に終了する可能性があることをこれまでで最も明確に示した」と指摘した。
会見後に3年物国債の利回りは一時14.9bp低下し、3.710%となった。10年債利回りは一時16.4bp低下の3.619%。
<成長見通し下方修正>
中銀は23年の成長率予想を従来の2.1%から1.7%に下方修正。今年の見通しは2.6%に据え置いた。23年のインフレ見通しは従来の3.7%から3.6%に引き下げた。
李総裁によると、金融通貨委員会のメンバーは政策金利の最終到達点について意見が分かれた。メンバー7人のうち1人は3.25%、3人は3.50%、2人は3.75%でピークを打つとみているという。
ロイター調査の予想中央値では、韓国中銀は来年3月末までに政策金利を3.50%に引き上げて、利上げを停止するとみられている。
通貨ウォンの対ドル相場は10月下旬に付けた13年ぶりの安値から7%余り戻しており、利上げペースを減速させやすい環境となっている。
キャピタル・エコノミクスのアジア担当シニアエコノミスト、ガレス・レザー氏は「成長率が鈍化しインフレも緩和する中で、中銀の引き締めサイクルは終わった可能性があると考えている」と述べた。