[クアラルンプール 19日 ロイター] - マレーシア中央銀行は19日、市場予想に反して政策金利を2.75%に据え置いた。これまでの利上げの影響を見極めるとした。
ロイター調査ではエコノミスト27人のうち、1人を除く全員が3%への利上げを見込んでいた。
中銀は声明で「金融政策が経済にもたらす影響には時間差があるため、これまでの金利調整の影響を見極める。金融政策のさらなる正常化は今後の状況及びそれが国内のインフレと成長見通しに与える影響次第となる」と表明した。
地政学的緊張、先進国経済の成長鈍化、金融市場環境の急激な引き締めなど、経済の下振れリスクを指摘。総合インフレ率はピークに達したとした。
中銀は昨年5月以降、政策金利を過去最低の1.75%から計100bp引き上げている。
ANZのアジア調査担当責任者、クーン・ゴウ氏は「今回の動きは先進国経済の減速に起因する成長への短期的な下振れリスクを彼らがますます懸念していることを示唆している」と述べた。
キャピタル・エコノミクスは、中銀が年内は金利を据え置き、2024年に利下げを開始すると見込む。アジア新興国担当エコノミストは「成長が減速する見通しで、インフレ圧力が和らいでいる中、今日の据え置きは引き締めサイクルの一時停止というより、むしろ終了を示していると思う」と語った。