[東京 30日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は30日、衆院・予算委員会で、時間はかかっているものの「金融緩和を続けていくことで、賃金の上昇を伴う形で物価目標を持続的・安定的に実現することは可能だ」と述べた。経済をしっかり支え、企業が賃上げできる環境を整えることが最も重要だと述べた。
神田潤一議員(自由民主党)の質問に答えた。黒田総裁は、物価上昇が持続的・安定的になるには「賃金と物価がともに上昇する好循環の実現が必要」と指摘。岸田政権が進める「人への投資」で成長力が高まり、成長の果実が賃上げなどの形で幅広く行きわたることはきわめて重要だと語った。
黒田総裁は2013年、当時の安倍晋三首相の下で日銀総裁に就任した。昨年銃撃されて死去した安倍氏について「長期間続いたデフレからの脱却と、持続的な経済成長の実現に向けて多大な成果を残した」と述べた。
(和田崇彦 編集:田中志保)