[ロンドン 1日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックスは1日公表した調査資料で、トルコは総選挙を控えて外国為替市場が不安定化する恐れがあるとの見方を示した。
ゴールドマンは、新政権が現在よりも正統な経済政策に移行して外為市場が短期的に混乱するという不安が、貯蓄者や企業の間で広がる可能性を指摘。これは基本シナリオではないと断った上で、「当社の見解では、現在の市場にくすぶる不確実性は重大なリスクをもたらしている」と強調した。
市場が混乱した場合、当局は国内銀行に為替スワップ取引を提示したり、外貨換算の価値を保証するリラ建て預金口座の保有者を安心させようと試みたりする可能性がある。ただ、これらは短期的な措置なので機能しそうになく、「暫定的な解決策が必要になるだろう」としている。
とりわけ近年は外貨準備高が急激に減少しているため、問題が解消されなければリラ相場は下落するとゴールドマンは予想した。
もっとも新政権が正統的な経済政策に回帰するなら、長期的にはトルコに恩恵をもたらす可能性が高いとした。