[ブラジリア 19日 ロイター] - ブラジル中央銀行のカンポス・ネト総裁は19日、インフレ目標の引き上げについて、中銀が決定する事案ではないとしながらも、反対すると表明した。欧州経済金融センター主催のイベントで語った。
金利の引き下げを働きかけているルラ大統領は今月、ブラジルの高い貸出金利は「説明がつかない」と指摘、インフレ目標を引き上げる可能性に言及した。
カンポス・ネト総裁は、インフレ目標を引き上げれば、リスクプレミアムが高まり、長期的には弊害をもたらすと指摘。「目標を達成できないからといって目標を引き上げようとするのは、金利を引き下げるべきではない時期に、金利を引き下げる柔軟性を確保しようとしているとの印象を市場に与える」と述べた。
総裁は、インフレ目標の引き上げが「仮に実施されれば、われわれは影響を見極めることになる」と発言。「だがわれわれは、そうした決定は下されるべきではないと勧告する」と語った。
ブラジルのインフレ目標は、中銀総裁や閣僚などで構成される国家通貨審議会が決定する。2023年の目標は3.25%に設定されているが、3月の消費者物価指数は前年同月比4.65%上昇。政策金利は過去6年間で最高の13.75%となっている。