[ワシントン 20日 ロイター] - マッカーシー米下院議長(共和党)は、共和が多数派を占める下院で連邦債務上限を1兆5000億ドル引き上げる自身の案を可決させるため、議員らとの協議を本格化させたが、造反が出る兆候がすでにあり厳しい試練に直面している。
マッカーシー氏は大幅な歳出抑制策も法案に盛り込み、来週の可決を目指しているが、党議員の一部は政府債務の拡大を容認する措置に反発している。
同氏はこの案が債務上限引き上げを巡る民主・共和両党の交渉のたたき台になると述べている。債務上限を現行法定の31兆4000億ドルから引き上げることができなければ、政府の資金繰り策が尽き、米国債のデフォルト(債務不履行)を引き起こす可能性がある。
金融市場では米国債のデフォルトリスクを対象に取引されるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率が10年ぶりの高水準に上昇している。
共和党は下院で僅差で多数派を確保しているため、マッカーシー氏は法案を通すために造反を5人以内に抑える必要がある。同氏は1月に議長選出で15回の投票を要しており、求心力の弱さが露呈していた。