[北京 5日 ロイター] - 財新/S&Pグローバルが5日発表した4月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は、需要や生産の回復を背景に好不況の分かれ目である50を4カ月連続で上回ったものの、前月から小幅低下した。
4月のサービスPMIは56.4。3月の57.8から低下した。
中国国家統計局が4月30日に発表した非製造業PMIも58.2から56.4に低下していた。
中国経済は回復傾向にあるがセクターによってばらつきがあり、製造業は低迷する一方、サービス業は活況になっている。
政府の統計によると、労働節の連休(4月29日─5月3日)中の国内旅行者数は前年比70.8%増加し、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年と比べても19%増えた。
財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「蓄積した需要が短期的に放出された後も景気回復が持続するか分からない。多くの指標は回復がまだ安定していないことを示唆している」と述べた。
アナリストは、国内消費がまだ本格的に回復しておらず勢いがさらに弱まる可能性があるとし、さらなる政策支援が必要だと指摘する。
ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は、企業利益の伸び、個人所得、財政収入が全て第1・四半期の経済成長を下回っており、消費は一段の政策支援・刺激策が必要になると述べた。
調査対象のサービス企業の生産活動および新規輸出を含む新規受注は4カ月連続で拡大した。
財新グループは、活動拡大は新型コロナの影響が薄れ事業環境が正常化したためとみている。
人件費や原材料価格が上昇し、営業費用は12カ月ぶりの高水準となった。しかし新規受注の獲得を優先したため、顧客への転嫁は限定的だった。
「今後、関連する政策は、内需の拡大、雇用の安定、期待の向上、金融の伝達メカニズムの改善、経済の好循環創出に焦点を当てるべきだ」と王氏は述べた。
製造業とサービス業を合わせた総合PMIは50を4カ月連続で上回ったが54.5から53.6に低下した。