[北京 9日 ロイター] - 中国は9日、カナダが中国人外交官1人に国外退去を通告したことを受け、上海に駐在するカナダ人外交官1人を国外退去処分にした。すでに緊張状態にある二国間関係がさらに悪化している。
中国人外交官を巡っては、中国・新疆ウイグル自治区の人権状況に批判的なカナダの議員に圧力をかけようとしたと、カナダの情報機関が報告書で指摘していた。カナダのジョリー外相は「われわれは、いかなる形態の外国からの干渉も容認しない」と強調した。
中国外務省は声明で、カナダの「理不尽な行動」に対抗し、上海のカナダ領事館員ジェニファー・リン・ラロンド氏に13日までの国外退去を通告したと説明。さらなる対応も辞さない立場を示した。
同省の汪文斌報道官は定例会見で「中国は他国の内政に干渉することはない。中国外交官の追放は国際関係に関するルールに違反する」と述べた。
「カナダの外交官の追放は正当で必要なものだった。中国の正当な利益を守るという決意は揺らぐことはない」と主張した。