[マニラ 18日 ロイター] - フィリピン中銀は18日、政策金利を予想通り6.25%に据え置いた。これまで10カ月にわたって行ってきた利上げを休止し、今後2─3回の政策決定会合では現状を維持する考えを示唆した。
ロイターが調査したエコノミスト22人のうち16人が現状維持を、残りの6人は25ベーシスポイント(bp)の利上げを予想していた。
フィリピン中銀は昨年5月以降425bpの利上げを行っている。
メダラ中銀総裁は会見で「中銀の最新の基本予想はインフレ率が徐々に目標の2─4%に戻ることを引き続き想定している」と説明した。
4月のインフレ率は3カ月連続で鈍化した。
中銀は今年第4・四半期までにインフレ率が目標に達するとみているが、物価の脅威に対応する準備はできていると表明した。
メダラ氏は「新たなデータによって必要とされる場合には、金融引き締めを再開する用意がある」と述べた。
キャピタル・エコノミクスのシニア・アジア・エコノミスト、ギャレス・レザー氏はメモで「インフレ率が低下し経済への逆風が強まっていることから、今年いっぱいは金利を据え置き来年初めに利下げする公算が大きい」との見方を示した。
消費者物価の見通しが改善したことを受け、中銀は今年のインフレ率予想を6.0%から5.5%へ、来年は2.9%から2.8%へそれぞれ引き下げた。
しかし食料供給の制約などによりインフレリスクは依然として「大きく上向きに傾いている」と指摘した。
メダラ氏は今後2─3回の政策決定会合で主要金利を現在の水準に据え置く可能性が高いと述べた。
世界の金融状況が厳しくなる中でマクロ経済と金融情勢がどのように変化していくかについて、さらに詳しく評価することが慎重な引き締め休止によって可能になるとした。
その一方で6月の会合で銀行の預金準備率を引き下げる可能性を示唆した。
INGのシニアエコノミスト、ニコラス・マパ氏は「中銀は今後数カ月、政策金利を6.25%に据え置き、6月に預金準備率を200bp引き下げ10%にすると予想している」と語った。