[シドニー 24日 ロイター] - 豪準備銀行(中央銀行)の高官は24日、バランスシート縮小はスムーズに進むと予想しているとしつつ、中銀が保有する債券が減少するにつれて利回りに一定の圧力がかかる可能性があるとの見方を示した。
東京で開催されたオーストラリア政府債券フォーラムで講演した。
豪準備銀の国内市場責任者、デービッド・ジェイコブズ氏は、購入した債券のうち約200億豪ドル分が満期を迎えたとし、そのペースは年350億─450億豪ドルに加速すると説明。「このプロセスは円滑に進むと期待しているが、これに伴う課題に注意を払う」と述べた。
2020年に緊急景気刺激策として導入したターム物資金調達ファシリティー(TFF)の下で商業銀行に貸し出された総額1880億豪ドルのうち、約40億豪ドルがこれまでに返済され、9月と来年6月に大規模な返済期限を迎える。
中銀の量的緩和策によって創出された資金の多くは、銀行が中銀の為替決済口座に保有しており、これも急速に減少することが予想される。
ジェイコブズ氏は「外為決済口座の残高が高水準なままであっても一定の緊張を引き起こす可能性がある」と述べた。来年6月までに準備金がおよそ半減すると指摘した。
「われわれはこれを注意深く監視し必要に応じて対処するが、このプロセスは円滑に進むと予想している」と語った。