[ブラジリア 31日 ロイター] - ブラジル政府は31日、議会に2024年予算を提出し、税収を1685億レアル(340億ドル)増やして財政収支を黒字に転換させる野心的な計画を盛り込んだ。
財務省、中央銀行、社会保障から成る中央政府は今年、基礎的財政収支(プライマリーバランス)が1454億レアルの赤字となる見通しだが、予算案では来年28億レアル(5億6570万ドル)の黒字への転換を見込んでいる。財政赤字を無くすという政府目標に則った内容。
ただ市場では計画の実現性が疑問視されている。税収を生み出せるか不確実な措置に大きく頼っていることが一番の理由で、議会の承認を得る必要があることも警戒されている。ルラ大統領の政党は議会で過半数を占めていない。
政府が税収増の根拠とする措置には、企業が課税内容に意義を唱えて裁判で勝訴するのを難しくする規制変更が含まれ、これは議会で承認済み。ただ、スポーツ賭博の規制や、投資ファンドに関する税制の調整など、現在審議中の法案が通ることも想定している。
また予算案は、来年の経済成長率が2.3%、インフレ率が3.3%という政府の経済見通しを前提としている。しかし中央銀行の週間調査によると、民間エコノミストは来年の成長率を1.33%、インフレ率を3.87%と予想している。