Huseyin Hayatsever Ezgi Erkoyun
[アンカラ 6日 ロイター] - トルコ政府は6日、中期計画を発表し、インフレ予測を上方修正するとともに経済成長予測を下方修正した。
エルドアン大統領は大幅な利上げを支持したとみられ、従来の非正統的な政策の修正が進みつつある。
トルコは6月に政策を180度転換し、積極的な利上げを開始。アナリストはインフレ抑制に向けた現実的な取り組みと評価しているが、短期的には経済に痛みを伴うため、来年3月に統一地方選挙を控えたエルドアン氏が忍耐を維持できるかが試される。
政府はインフレ率を今年65%、来年33%と予測。従来予測はそれぞれ24.9%、13.8%だった。
経済成長予測は今年4.4%、来年4%。従来予測はそれぞれ5%、5.5%だった。依然として大半のエコノミスト予想を上回っている。
経常赤字の予測は今年425億ドル、来年347億ドル。
エルドアン氏は「金融引き締め政策の支援により、インフレ率を再び1桁に引き下げ、経常収支を改善する」と表明。「この(中期)計画の期間中、経済成長で決して妥協しない」と述べた。
同氏はこれまで高金利がインフレにつながるとの非正統的な主張に基づき、金利の「敵」を自任し高金利に公然と反対してきたが、従来の発言を転換したことになる。
エルドアン氏は4年間で4人の中央銀行総裁を解任しており、コメルツ銀行のアナリストは「エルドアン氏が忍耐を失うリスクは常に存在する」とし「インフレ率は長期間、非常に高い水準にとどまり、賃金妥結など二次的な影響をもたらすだろう」と述べた。