Nevzat Devranoglu
[アンカラ 7日 ロイター] - トルコのシムシェキ財務相は7日、同国の経済プログラムはエルドアン大統領の全面的な支持を得ていると明言した。政府は前日、今年と来年の物価上昇率見通しを大幅に引き上げ、成長率見通しは下方修正している。
エルドアン氏は長い間、経済理論の主流に反する見解を打ち出して高金利に公然と反対し、国内の物価上昇圧力を増大させてきた。しかし5月に再選を果たしたエルドアン氏は、外国投資家からの信頼が厚いシムシェキ氏を経済政策のかじ取り役に起用して政策の180度の方向転換を開始。6日には、金融引き締め政策を通じて物価上昇率は1桁台に鈍化すると発言し、最近の積極的な利上げを後押しする姿勢を見せて一部の市場関係者を驚かせた。
こうした中でシムシェキ氏はエルドアン氏の「お墨付き」を改めて強調。「ディスインフレ推進プログラムでも財政政策でも、大統領の支援は完全だ。われわれはそれを感じているだけでなく、確かなものとして目にしている」と述べた。
さらに金融市場に経済政策転換を進めるシムシェキ氏の独立性への疑念が残っている点を認めた上で「(大統領の支持には)いささかの疑う余地もない」と言い切った。
シムシェキ氏は、今後ドイツやニューヨーク、ロンドン、アジアと中東の幾つかの都市で投資家との会合を開く予定を明らかにした。
一方、トルコ中央銀行のエルカン総裁は「物価情勢の著しい改善を達成するまで、われわれが持つ全ての手段を通じて金融引き締めを継続していく」と語った。