Andrea Shalal David Lawder
[ワシントン 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は中国経済に関する審査(4条協議)で、国内消費の喚起、不動産部門への対応、地方政府の債務抑制が必要との認識を中国側に示す。
ゲオルギエワ専務理事がロイターとの単独インタビューで明らかにした。債務を原動力にしたインフラ投資と不動産をてことする経済成長モデルを転換し、国内消費を重視する必要があると強く訴える方針。
米欧企業が供給網で脱中国に動いていることに加え、高齢化と生産性低下が経済成長率を「抑制する要因」になっていると指摘。不動産部門の問題が消費低迷の原因になっているとの認識も示した。
ゲオルギエワ氏は「構造改革がなければ、中国の中期的な経済成長率は4%を割り込む可能性がある」と述べた。
不動産部門については、経営難の不動産開発会社を救済するより、購入者がすでに代金を支払ったマンションの建設完了に資金を振り向け、消費者の不動産部門に対する信頼を回復することが重要と主張した。
<主要国経済、大半がコロナ前下回る>
IMFが来月9─15日のIMF・世銀年次会合を前に発表する新たな世界経済見通しについては、各国の経済成長率低迷に対する懸念を反映する内容になると予想。大半の主要国が新型コロナウイルス流行前の経済成長率を下回っていると指摘した。
主要国で新型コロナ前の経済成長率を回復したのは米国のみで、中国は新型コロナ前のトレンドを4%ポイント、欧州は2%ポイント、世界経済は3%ポイント、それぞれ下回っているという。
中国は今年、世界の経済成長の約3分の1を生み出しており、中国の経済成長率は「アジアと世界にとって重要」としている。
「中国から一定の資金が流出している。こうした傾向と今後の動向を注意深く監視する必要がある」とも指摘。
デジタル経済やグリーン技術など投資家にとって依然魅力的な分野はあるとした。中国の強力な電気自動車(EV)の推進については、不公正競争につながる補助金を利用しないことが重要だと述べた。