[チューリヒ 27日 ロイター] - 米司法省がスイスの金融大手UBSとUBSが買収したクレディ・スイスの対ロシア制裁違反を巡る調査を強化したことが分かった。ブルームバーグ・ニュースが報じた。
ブルームバーグによると、主にクレディ・スイスとロシア人顧客の制裁逃れを助けたコンプライアンス違反の疑いに焦点を当てた本格的な調査が現在進行中だという。
報道を受けて27日にUBSの株価は8%近く下落し、取引が一時停止された。その後は回復し、午後12時33分GMT(日本時間午後9時33分)時点では3.4%安で取引された。
UBSはロイターへのコメントを控えた。
UBSは8月末の財務報告書で、UBSの制裁プログラムは「国連、スイス、欧州連合(EU)、英国、米国が科す制裁を含む」複数の管轄区にわたる制裁に従うよう設計されていると記した。
また、英国、オランダ、フランス、ベルギーにあるクレディ・スイスの支店が、富裕層顧客向けのクロスボーダーバンキングに関する調査の一環として、法執行当局から連絡を受けたとし、「クレディ・スイスは、これらの問題について調査を実施し、英国とフランスについては終了し、引き続き当局と協力している」と記した。
ブルームバーグによると、司法省の調査は2022年のロシアによるウクライナ侵攻後に導入された制裁と、14年のクリミア併合後に科された以前の制裁の両方を対象としている。