Noele Illien Kirstin Ridley
[チューリヒ 1日 ロイター] - クレディ・スイスは、アフリカ東部のモザンビークとの間で融資などを巡る長年の係争について和解に達した。クレディ・スイスを救済合併し、この問題を引き継いでいたUBSが1日明らかにした。
モザンビークの漁業振興や海上保安態勢整備のために同国国営会社が造船会社プリビンベストグループと締結した事業契約に対して、2013年にクレディ・スイスが融資や債券引き受けの形で資金を提供し、13―14年にモザンビーク政府が非開示で保証を付与したとされることが、問題の引き金になった。
その後に多額の資金が行方不明となったほか、16年に政府保証の存在が明るみになった時点で国際通貨基金(IMF)などが支援を停止。モザンビークは通貨急落やデフォルト(債務不履行)、金融の混乱などに見舞われ、同国政府はこの資金提供に関して不正があったとしてクレディ・スイスを訴えていた。
ロンドンの裁判所でこの訴訟の審理が始まる前日に和解が成立した形。UBSは声明で「両当事者が互いにこれらの取引に絡む支払い義務や請求権を放棄した。双方ともに長期にわたる係争を解決できて喜ばしく思っている」と述べた。
UBSは詳しい和解条件には言及していない。ただ事情に詳しい関係者は、クレディ・スイスがモザンビーク向けに実行したローンの一部の債権を放棄することになると述べた。
モザンビーク側は、司法当局と財務省が2日に共同記者会見を開くとしている。