<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。米政府機関の閉鎖が回避されたことや、経済指標を受けて米連邦準備理事会(FRB)が利上げを長期化させるとの見方が再び強化されたことが背景。
米議会上下両院は30日、政府のつなぎ予算を可決した。連邦政府機関の閉鎖を土壇場で回避した。
国債利回りは上昇し、指標となる10年債は4.703%を記録した。政府機関閉鎖の回避により米国債に対する需要が減少した一方、経済指標から景気の底堅さが浮き彫りになったためだ。
ドル指数は0.62%高の106.89。ユーロは0.75%安の1.0491ドルだった。
円は0.31%円安の149.77円。一時149.90円まで下落した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米金融・債券市場では、米連邦政府機関の閉鎖が土壇場で回避されたことで安全資産としての国債の需要が薄れ、10年債利回りが16年ぶりの高水準を更新した。
米議会上下両院は9月30日夜、つなぎ予算を可決。バイデン大統領が署名し予算案が成立したことで、新会計年度が始まる10月1日の連邦政府機関の閉鎖は回避された。
政府機関が閉鎖されれば、連邦準備理事会(FRB)が金利据え置きの根拠とする可能性のある一部の経済指標の発表が先送りされるとの見方も出ていた。
マニュライフ・インベストメント・マネジメント(ボストン)のシニア債券トレーダー、マイケル・ロリツィオ氏は 「政府機関が閉鎖に追い込まれていれば、FRBは10月31日─11月1日の次回会合に向けて実に厳しい状況に追い込まれていた」とし、「次の行動を起こす根拠となるデータを入手できなければ、FRBのいかなる行動の可能性も実質的にゼロと考えなければならなかった」と述べた。
10年債利回りは一時4.703%と、2007年10月以来の水準に上昇した。9月全体では48ベーシスポイント(bp)上昇。月間の上げ幅としては1年ぶりの大きさとなった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場はS&P総合500種がほぼ横ばいで取引を終えた。公益事業株が大幅安となった。市場では連邦準備理事会(FRB)が金利をより長期にわたりより高水準に維持しなければならなくなる可能性が注視されている。
一方、ナスダック総合は小幅高。ゴールドマン・サックスがトップピック銘柄のコンビクションリストに追加した半導体大手エヌビディアが2.9%値上がりした。
FRBのボウマン理事は2日、入手されるデータでインフレを巡る進展の停滞、または進展が遅すぎることが示されれば、利上げを実施し、金利を当面は制約的な水準に維持することが適切になるとの考えを示した。
LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「市場は不透明感に包まれて9月を終えた」とし、主要3指数は9月および四半期でいずれもマイナスとなったと指摘。
「今月に入り、市場は企業業績が上向きつつあるという確信を必要としている。さらに極めて重要なのはFRBがどこに向かっているのかを確認することだ」と語った。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ドル高・ユーロ安に伴う割高感を受けた売りに押され、6営業日続落した。
米長期金利の上昇を眺めて、外国為替市場ではドル高・ユーロ安が進行。ドル建てで取引される商品への割高感が意識され、相場は終日マイナス圏で推移した。
この日は、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官が講演した。ボウマンFRB理事は、インフレが依然として高すぎると述べた上で「追加利上げが必要となる公算が大きい」と明言。バーFRB副議長は、年内利上げの是非よりも十分抑制的な水準で金利を据え置く期間を最重要視するとの考えを示した。これを受けて、金融引き締め局面の長期化への警戒感が改めて強まり、利子の付かない金の投資妙味が後退。金利上昇に伴うドルの先高観も広がり、押し目買いは乏しかった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、対ユーロでのドル高を背景とした売りが優勢となり、3営業日続落した。
米サプライ管理協会(ISM)が午前発表した9月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.0と前月の47.6から上昇し、市場予想(ロイター調査)の47.7を上回った。強めの経済指標に加え、この日午前に講演を行った米連邦準備理事会(FRB)高官らの発言はタカ派寄りの内容。FRBのボウマン理事は、米国のインフレが引き続き高止まりしていると明言し、「追加利上げが必要となる公算が大きいと予想している」との見解を示した。FRBのバー副議長も、どれほど長く十分景気抑制的な水準で政策金利を据え置くかが重要な問題だと強調した。これらの発言を背景に米長期金利が上昇。対ユーロでドル高となり、ドル建てで取引される商品の割高感から原油は売られた。
一方、複数の関係筋がロイターに明らかにしたところによると、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の合同閣僚監視委員会(JMMC)は4日に実施のオンライン会合で、現行の生産方針を維持する可能性が高いと見込まれている。主要産油国による供給削減が原油価格の高騰を招く中、市場では需給引き締まり観測が依然として根強く、原油の下値を抑えたもようだ。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 149.85/149.87
始値 149.72
高値 149.90
安値 149.69
ユーロ/ドル NY終値 1.0476/1.0480
始値 1.0539
高値 1.0542
安値 1.0478
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 89*13.00 4.7957%
前営業日終値 90*22.00 4.7090%
10年債(指標銘柄) 17時05分 93*21.00 4.6847%
前営業日終値 94*16.50 4.5710%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.50 4.7136%
前営業日終値 100*03.00 4.6040%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.50 5.1083%
前営業日終値 99*29.25 5.0460%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33433.35 -74.15 -0.22
前営業日終値 33507.50
ナスダック総合 13307.77 +88.45 +0.67
前営業日終値 13219.32
S&P総合500種 4288.39 +0.34 +0.01
前営業日終値 4288.05
COMEX金 12月限 1847.2 ‐18.9
前営業日終値 1866.1
COMEX銀 12月限 2142.1 ‐102.9
前営業日終値 2245.0
北海ブレント 12月限 90.71 ‐1.49
前営業日終値 92.20
米WTI先物 11月限 88.82 ‐1.97
前営業日終値 90.79
CRB商品指数 282.4830 ‐2.0494
前営業日終値 284.5324