John Revill
[チューリッヒ 4日 ロイター] - スイス連邦統計局が4日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年比1%上昇で、2021年9月以来の低い伸びとなった。スイス国立銀行(中央銀行)による追加利下げ観測が強まり、スイスフランが下落した。
インフレ率は10カ月連続で0─2%の中銀目標レンジに収まった。2月は1.2%、ロイター調査の予想は1.3%だった。
発表を受け、スイスフランは対ユーロで0.9836フランに下落し、昨年6月以来の安値を付けた。
3月は食料品やレストラン、ホテルの価格が下がった。
前月比では横ばいだった。
J・サフラ・サラシンのチーフエコノミスト、カルステン・ユニウス氏は「当社はすでに6月と9月の2回の利下げを予想していたが、この水準のインフレ率であれば利下げはほぼ確実だろう」と語った。スイス中銀はインフレの上振れリスクを制御しているようだが、下振れリスクも管理し、デフレを回避しなければならないと述べた。
中銀はコメントを控えた。
UBSのエコノミスト、マキシム・ボテロン氏は、低インフレの継続は中銀に利下げが正しかったという安心感をもたらすだろうが、次回6月の政策決定に影響を及ぼすかはまだ分からないと述べた。
「中銀は5月の物価の状況をさらに精査した上で6月に金利をどうするかを決めるだろう。それまでに家賃上昇の影響が明らかになっているからだ」と指摘した。
また「欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備理事会(FRB)の動向も考慮するだろう」とし「ECBとFRBが利下げを行えば、スイス中銀も利下げする可能性が高くなる。スイスフランが再び上昇するリスクを避けたいからだ」と分析した。
同氏は現在1.5%の政策金利が6月に1.25%に、9月に1%に引き下げられると予想した。