投資家たちは、米国経済が冷え込んでいるかどうかを示す可能性のある6月7日発表の米雇用統計など、重要な経済イベントが目白押しの1週間を控えている。先月のデータでは、インフレ率の鈍化と労働市場の減速が示され、米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げを妨げる可能性のある経済の過熱に対する懸念が緩和された。政策決定者たちは、インフレ目標2％に向けたトレンドを確認するため、数ヵ月分のデータを求めている。
政治情勢では、6週間にわたるインドの総選挙の結果が6月4日に判明し、市場はナレンドラ・モディ首相の再選を予想している。モディ首相の勝利は政治的安定をもたらし、持続的な経済成長を支えるものと期待されている。2023年にほとんどの主要市場をアウトパフォームしたインド株は、モディ首相が政権を維持すれば、さらに上昇する可能性がある。一方、日曜日に行われるメキシコの選挙では、クラウディア・シャインバウムが同国初の女性大統領に就任する可能性がある。
米国では夏のドライブシーズンを迎え、原油価格は前年比10％上昇した。しかし、ガソリン先物は7％下落し、米国のガソリン在庫は予想通り減少しておらず、消費水準が緩やかであることを示唆している。原油輸出国は供給削減を維持する方針で、6月2日に協議会合が予定されている。
英国では、合併・買収の動きが活発化している。BHPグループ(NYSE:BHP)が4月にア ングロ・アメリカン(JO:AGLJ)への入札に失敗し ても、M&A復活の勢いは衰えていない。英国の資産は、米国や欧州の資産と比較して相対的にバリュエーションが低いため、依然として魅力的である。
最後に、欧州中央銀行（ECB）は他の主要中央銀行に先駆け、木曜日に金利を25ベーシスポイント引き下げ、3.75%にすると予想されている。この利下げが予想されているにもかかわらず、サービス部門のインフレが持続していること、ユーロ圏の景気回復が予想以上に力強いことから、さらなる利下げの見通しは不透明である。トレーダーは今年のECB利下げ予想を縮小しており、現在は2回の利下げ、3回目の可能性は50％以下と予想している。
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