インドの5月の小売インフレ率は4.75％と、4月の4.83％からわずかに低下した。この数値は、50人のエコノミストグループが予測した4.89％よりも低い。コア・インフレ率の低下と燃料価格の下落が影響した。それでも、消費者物価バスケットのほぼ半分を占める食品価格は高止まりしている。
5月の食品インフレ率は前年同月比8.69％の上昇となり、前月の8.70％の上昇をわずかに下回った。2023年11月以降、食品価格は年率8％以上で上昇している。特に穀物価格は5月に前年同月比8.69%に上昇し、4月の8.63%からわずかに上昇した。豆類の価格も上昇し、前月の16.84％から17.14％の上昇となった。
5月の野菜価格は27.3％上昇し、上昇率は高いものの、前月の27.8％から若干低下した。家計の食料品支出も5月に増加し、野菜は前月比3.2％増、豆類は同1.5％増となった。
世界的な格付け会社S&Pのインド部門であるCRISILによると、5月のベジタリアン家庭料理の平均コストは、タマネギ、トマト、ジャガイモの価格上昇に牽引され、前年同月比で9％急増した。
日曜日に3期目をスタートさせたナレンドラ・モディ首相にとって、食料価格の管理は依然として優先課題である。モディ政権は、必需品のコストを効果的にコントロールできていないという批判に直面している。
インド準備銀行（RBI）は、異例の猛暑と貯水池の水位低下が野菜や果物を含む夏作物の生産に影響を与える可能性があると警告している。RBIは、小売インフレ率を4％に維持することを目標に、8回連続の政策決定会合で主要金利を維持してきた。エコノミストは、中央銀行は今年最終四半期まで金利を据え置く可能性が高いと予想している。
DBS銀行のエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は、5月のインフレ率が若干緩和されたにもかかわらず、8月に予定されているRBIの政策見直しに大きな影響を与えることはないと予想している。
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