■決算動向
(1) 2016年3月期の業績概要
5月10日付で発表されたデリカフーズ (T:3392)の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比12.6%増の31,573百万円、営業利益が同8.4%減の683百万円、経常利益が同7.5%減の708百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同18.1%減の400百万円となった。
売上高については、同社の積極的なメニュー提案やフードディフェンスを含めた食品安全確保・リスク管理体制などが評価され、外食企業向けを中心に既存顧客での取引シェアの拡大、並びに新規顧客の獲得が進んだことで、前期比2ケタ増収と好調に推移、6期連続増収、過去最高売上げを更新した。
業態別売上高で見ると、主力のファミリーレストラン向けが前期比14.3%増となったほか、喫茶・Café向けが同22.2%増、パブ・居酒屋向けが同6.7%増といずれも順調に拡大した。
ファストフード向けが同0.7%減と外食業界向けでは唯一、減収となったが、これは大手ハンバーガーチェーンの不振が影響したことによるもので、これを除けば増収となっている。
一方、中食業界向けも弁当・総菜が前期比17.0%増、食品メーカー向けが同30.1%増、給食向けが同24.4%増といずれも好調に推移した。
人手不足等を背景にカット野菜の需要が増加しているほか、新規顧客の獲得が進んだことも増収要因となっている。
唯一、コンビニエンスストア向けが減収となったが、規模も小さく全体への影響は軽微となっている。
利益面では、期前半の天候不順や台風等の影響により、野菜調達価格が高騰したことや野菜品質の悪化による作業効率の低下により約50百万円、奈良FSセンター開設に伴う立ち上げ費用、減価償却費の増加により約110百万円の減益要因となったことが響いた。
また、当期純利益の減益率が大きくなっているのは、特別損失として固定資産除却損や退職給付費用などを計上したことが要因となっている。
(2)部門別、エリア別動向 部門別の売上高で見ると、カット野菜が前期比14.1%増の11,451百万円、ホール野菜が同10.3%増の16,308百万円、その他が同18.1%増の3,814百万円となり、すべての部門で2ケタ増収となった。
前述したように、新規顧客の開拓や既存顧客での取引シェア拡大が主因となっている。
このうち、カット野菜については厨房での省力化や調理の短時間化、ごみ減量化、衛生面のメリットから外食、中食業界問わず、需要が拡大している。
その他部門については日配品や業務委託分の売上高が伸びたことに加えて、外食企業向けのコンサルティング業務や青果物の受託分析サービスなども好調に推移したことが主因だ。
また、2015年5月より新たに開始した韓国企業2社向けのコンサルティングサービス(カット野菜の製造ノウハウの供与)も20百万円弱ほど寄与している。
エリア別の業績を見ると関東地区(東北、九州地区含む)の売上高は前期比14.3%増の20,473百万円、経常利益は同13.6%増の426百万円と2ケタ増収増益となった。
首都圏で大手居酒屋や介護給食等の新規顧客開拓が進んだほか既存顧客での取引シェア拡大、九州事業所や仙台事業所での新規顧客の開拓が進んだことで、売上増は2ケタ増収と好調を持続した。
利益面では上期が天候不順等の影響により厳しく推移したものの、下期は野菜調達価格や野菜品質が安定化したことによる生産効率の向上や物流子会社の新設に伴う物流費の削減効果もあって収益性も向上し、通期では2ケタ増益となった。
東海地区の売上高は前期比7.2%増の5,073百万円、経常利益は同4.5%減の150百万円となった。
売上高は外食チェーンのほか量販店の総菜売り場で販売されるキット野菜(タレなども加えた商品)などが伸びたほか、新規顧客の開拓が進んだことが増収要因となった。
利益面では上期の天候不順や台風等による野菜調達価格の高騰に加えて、人件費や採用費などが増加したことで若干の減益となった。
近畿地区の売上高は前期比11.4%増の5,961百万円、経常利益は同65.2%減の77百万円となった。
2015年4月に奈良FSセンターを開設したことにより生産能力が拡大し、売上増に貢献した。
奈良FSセンターは近畿地区で初の「FSモデル工場」(スーパーコールドチェーン対応等)として顧客からも高い評価を受けており、受注もおおむね順調に拡大しており、直近の稼働率は約50%、出荷額で約1億円弱/月となっている。
初年度は減価償却費で約86百万円、立上げ費用(人件費・消耗品費等)で約30百万円が掛かったことから減益要因となったが、2017年3月期以降は稼働率の上昇なども見込め、増益に寄与する見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
売上高については、同社の積極的なメニュー提案やフードディフェンスを含めた食品安全確保・リスク管理体制などが評価され、外食企業向けを中心に既存顧客での取引シェアの拡大、並びに新規顧客の獲得が進んだことで、前期比2ケタ増収と好調に推移、6期連続増収、過去最高売上げを更新した。
業態別売上高で見ると、主力のファミリーレストラン向けが前期比14.3%増となったほか、喫茶・Café向けが同22.2%増、パブ・居酒屋向けが同6.7%増といずれも順調に拡大した。
ファストフード向けが同0.7%減と外食業界向けでは唯一、減収となったが、これは大手ハンバーガーチェーンの不振が影響したことによるもので、これを除けば増収となっている。
一方、中食業界向けも弁当・総菜が前期比17.0%増、食品メーカー向けが同30.1%増、給食向けが同24.4%増といずれも好調に推移した。
人手不足等を背景にカット野菜の需要が増加しているほか、新規顧客の獲得が進んだことも増収要因となっている。
唯一、コンビニエンスストア向けが減収となったが、規模も小さく全体への影響は軽微となっている。
利益面では、期前半の天候不順や台風等の影響により、野菜調達価格が高騰したことや野菜品質の悪化による作業効率の低下により約50百万円、奈良FSセンター開設に伴う立ち上げ費用、減価償却費の増加により約110百万円の減益要因となったことが響いた。
また、当期純利益の減益率が大きくなっているのは、特別損失として固定資産除却損や退職給付費用などを計上したことが要因となっている。
(2)部門別、エリア別動向 部門別の売上高で見ると、カット野菜が前期比14.1%増の11,451百万円、ホール野菜が同10.3%増の16,308百万円、その他が同18.1%増の3,814百万円となり、すべての部門で2ケタ増収となった。
前述したように、新規顧客の開拓や既存顧客での取引シェア拡大が主因となっている。
このうち、カット野菜については厨房での省力化や調理の短時間化、ごみ減量化、衛生面のメリットから外食、中食業界問わず、需要が拡大している。
その他部門については日配品や業務委託分の売上高が伸びたことに加えて、外食企業向けのコンサルティング業務や青果物の受託分析サービスなども好調に推移したことが主因だ。
また、2015年5月より新たに開始した韓国企業2社向けのコンサルティングサービス(カット野菜の製造ノウハウの供与)も20百万円弱ほど寄与している。
エリア別の業績を見ると関東地区(東北、九州地区含む)の売上高は前期比14.3%増の20,473百万円、経常利益は同13.6%増の426百万円と2ケタ増収増益となった。
首都圏で大手居酒屋や介護給食等の新規顧客開拓が進んだほか既存顧客での取引シェア拡大、九州事業所や仙台事業所での新規顧客の開拓が進んだことで、売上増は2ケタ増収と好調を持続した。
利益面では上期が天候不順等の影響により厳しく推移したものの、下期は野菜調達価格や野菜品質が安定化したことによる生産効率の向上や物流子会社の新設に伴う物流費の削減効果もあって収益性も向上し、通期では2ケタ増益となった。
東海地区の売上高は前期比7.2%増の5,073百万円、経常利益は同4.5%減の150百万円となった。
売上高は外食チェーンのほか量販店の総菜売り場で販売されるキット野菜(タレなども加えた商品)などが伸びたほか、新規顧客の開拓が進んだことが増収要因となった。
利益面では上期の天候不順や台風等による野菜調達価格の高騰に加えて、人件費や採用費などが増加したことで若干の減益となった。
近畿地区の売上高は前期比11.4%増の5,961百万円、経常利益は同65.2%減の77百万円となった。
2015年4月に奈良FSセンターを開設したことにより生産能力が拡大し、売上増に貢献した。
奈良FSセンターは近畿地区で初の「FSモデル工場」(スーパーコールドチェーン対応等)として顧客からも高い評価を受けており、受注もおおむね順調に拡大しており、直近の稼働率は約50%、出荷額で約1億円弱/月となっている。
初年度は減価償却費で約86百万円、立上げ費用(人件費・消耗品費等)で約30百万円が掛かったことから減益要因となったが、2017年3月期以降は稼働率の上昇なども見込め、増益に寄与する見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)