© Reuters. オーハシテク Research Memo(6):「グローバルな供給機能を有したサプライヤーとしての地位を獲得すること」
■今後の見通し
(3)成長戦略
オーハシテクニカ (T:)では今後も「ファブレス&ファクトリー機能」をさらに強化し、「グローバルな供給機能を有したサプライヤーとしての地位を獲得すること」で成長を推進していく戦略だ。
具体的には、国内外の自社製造機能の強化に加えて、海外事業拠点の拡充の検討、主要調達先企業との関係強化や新たな加工技術の開発等に取り組んでいく。
海外事業拠点の拡充に関しては、為替が再び円高になってきたこともあり、製造機能も含めて既存拠点の機能強化に優先的に取り組んでいく方針だ。
また、今後の期待製品としては独自技術開発品となる「圧入プロジェクション接合技術」を用いた精密加工部品の需要拡大が期待される。
自動車の軽量化やコストダウンに寄与する同技術と「精密プレス加工技術」を組み合わせて製品化に成功したトランスミッション用の部品が大手自動車メーカー向けに採用され、2017年3月期より供給が開始されるなど、採用が着実に広がっているためだ。
「圧入プロジェクション接合技術」を用いた製品売上高は2015年3月期の1,500百万円から2016年3月期は2,000百万円に拡大し、2年後には3,500~4,000百万円程度まで拡大することが予想される。
同製品に関しては持分法適用関連会社のテーケーで量産しているが、将来的には海外での展開も進めていく方針となっている。
ターゲットとする顧客に関しては従来と変わらず、日系主要自動車メーカーが中心となる。
既存顧客における取引シェアを拡大していくだけでも成長余地が大きいためだ。
また、営業利益率に関しては10%を超えた水準となっているが、今後も売上規模が拡大していけば、販管費率の低下によってもう一段の上昇が見込まれる。
なお、M&A戦略に関しては、製造機能や技術力の強化、販路拡大などのシナジー効果が期待できる企業を対象に検討しているが、当面は協力企業との関係強化を目的とした資本参加のようなケースが考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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