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DEAR・L Research Memo(5):堅調な需要が見込める東京圏に事業エリアを特化

発行済 2017-01-06 15:09
更新済 2017-01-06 15:33
DEAR・L Research Memo(5):堅調な需要が見込める東京圏に事業エリアを特化
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■セグメント詳細

(1)リアルエステート事業

a)東京圏の都市型マンションに特化して競争力を磨く
○堅調な需要が見込める東京圏
ディア・ライフ (T:3245)は創業以来、東京圏の単身者~DINKS向け都市型マンションを中心に不動産開発事業を展開している。
人口減少期に入った日本においても、東京圏への人口流入の傾向は続いており、さらには働き方やライフスタイルの変遷もあり、好立地の都心マンションへの需要はますます強まっている。


○用地取得と建築発注にエリア特化の強み
このような環境下、需要の堅調な東京圏に事業エリアを特化することは、販売面だけでなく、用地取得や建築発注においても優位に働いている。
情報の非効率性が依然大きい不動産業界では、有益な用地・物件情報であればあるほど、フェイストゥフェイスの商談が重要になってくる。
同社はエリアを限定することにより、より効率的で密度の濃い仲介業者などとの業界人脈を構築できており、その情報取得力は高い。
またエリアを限定することにより継続的に工事発注できることから、ゼネコンなど建築業者ともより良い関係性を構築できており、品質の高い建築請負工事を実現している。


○専門性の高い内部人材がもう1つの強み
エリア限定の強みに加え、内部に一級建築士をはじめ専門性の高い人材を抱えていることも大きなアドバンテージとなっている。
用地取得に関しては、素早く情報をキャッチすると同時にその開発ポテンシャルを素早く的確に算定し、競争力ある価格提示を迅速に行える目利き能力が不可欠である。
また技術のわかる人材がいればコスト抑制策での創意工夫が進みやすく、ゼネコンなどとの折衝力が高まる。


○分譲事業には参入せず資産効率重視
同社は分譲事業には参入しておらず、1棟売りすることで資金回収を早め、資産効率を高めている。
売却先は寮・社宅などのニーズを持つ事業会社、分譲や賃貸運営目的の不動産会社、リート、個人富裕層などの投資家など幅広い。
開発面では東京圏特化で効率性と競争力を高めている反面、販売面では自前の販売人員を抱えることなく広く可能性を探っている。


○東京圏へ特化しながら事業規模拡大へ
今後のマンション開発事業展開としては、東京圏特化の強みは維持したまま、都心のサブエリア立地にも取得機会を探ったり、都心部ファミリーマンションなどの大型案件にもジョイントベンチャーを通じて参画することなどにより事業機会の創出を推進し、マンション開発事業の規模拡大も目指す意向だ。
この事例として、双日新都市開発(株)と共同で開発を行っている「インプレストコア神楽坂」(竣工済み)および「駒込IIプロジェクト」(工事中)がある。


b)収益不動産の購入・売却を強化
○高い目利き力が活かせる収益不動産投資
同社は都市型マンションを開発から手掛けることを中心に業容を拡大してきたが、さらに事業基盤を拡大し収益の多様化を図るため、既に稼働している優良な中小型収益不動産への投資も積極化している。
収益不動産は、保有期間中に家賃収入を得た上で不動産サイクルを見極め、より良いイグジットのタイミングを図ることで収益の最大化を目指す。
また築古物件や空室率が一時的に高くなっている物件を安く仕入れ、保有期間中にリノベーションやテナント付けを行うことによって資産価値の向上を図った上で売却するなどのノウハウや不動産運営能力を持つ同社にとって、創意工夫の余地が大きい。


○事業拡大、多様化の好機
都市型マンション開発で良好な実績を上げ続け高成長を遂げた同社の信用力は高い。
2015年に東証一部に昇格し、財務の健全性も高いことから、金融機関とのリレーションも良好で借入余力も大きい。
一般的に、マンション開発事業に比べて収益不動産事業は利益率が低いが、収益化のタイミングは早く、賃料収入と売却を選択できる流動性を持つといった事業特性の違いがある。
収益不動産に取り組むことで、高い収益性とリスク回避を両立させ、資産効率のさらなる向上を目指す。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

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