■業績動向
(1) 2016年9月期の業績について
アドバンスクリエイト (T:8798)の2016年9月期の連結業績は、売上高が前期比0.3%増の7,295百万円、営業利益が同17.3%減の954百万円、経常利益が同19.0%減の926百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.5%減の582百万円と増収減益決算となった。
業界を取り巻く市場環境としては、2016年2月に日銀がマイナス金利を導入した影響で、一時払い終身保険等の貯蓄性保険商品の販売停止や、代理店手数料料率の低下、改正保険業法に対応するための管理体制強化等、厳しい状況が続いた。
こうしたなかで、同社はメディア事業や再保険事業が増収増益となったものの、主力の保険代理店事業の収益が想定以上に落ち込み減益要因となった。
ただ、6月以降はリスティング広告やSNS、キュレーションサイト等を活用した効果的なプロモーション施策が奏効し、資料請求件数や直営店のアポイントメント件数も増加し始めており、第4四半期だけで見ると前年同期比で2ケタ台の増収増益に転じている。
a)保険代理店事業
保険代理店事業の営業収益は前期比3.1%減の6,426百万円、営業利益は同38.2%減の630百万円となった。
営業収益は3期連続の減収となっている。
前述したようにマイナス金利導入の影響により、一部の貯蓄性商品の販売停止や手数料料率低下、保険業法改正に伴う管理体制強化等の影響が出た格好だ。
手数料率については平均で4%程度低下し、250百万円程度の減収減益要因になったと見られる。
チャネル別の申込ANP(新契約年換算保険料)で見ると、対面販売が前期比5.0%減、通信販売が同17.4%減、協業店が同22.5%減といずれも減少し、合計では同12.7%減となった。
保険料の高い終身保険等の貯蓄型保険商品の契約が落ち込んだため、申込ANPの減少幅も大きくなっている。
また、2016年9月末の保有契約件数は、前期比で3.1%増の482千件と伸び率こそ鈍化したものの増加基調が続いている。
一方、前期から取り組んできた対面型販売における生産性向上施策については2016年9月期もその効果が継続して出ており、営業スタッフ1人当たりANPで前期比8.6%の増加と2期連続で増加した。
具体的な、取り組み施策としては、営業スタッフの日々の業務フローの中で、無駄になっている時間を抽出し、契約獲得に向けた能動的な顧客アプローチ(電話による予約アポイントメント等)などを行うなど、業務プロセス・マネジメントを各店舗で導入、強化してきた。
貯蓄性商品の厳しい販売環境が続いたなかで、ANPが増加したことは注目される。
b)メディア事業
メディア事業の売上高は前期比159.4%増の917百万円、営業利益は同190.7%増の222百万円と大幅増収増益となった。
保険販売の市場環境が厳しくなるなかで、改めて「保険市場」の媒体価値の高さが評価され、保険販売代理店だけでなく保険会社からの直接の出稿も増加したことが急成長の要因となっている。
c)再保険事業
再保険事業の売上高は前期比14.8%増の638百万円、営業利益は同80.5%増の99百万円となった。
引受保険会社数は10社と前期から変わらなかったが、内訳としては生命保険が1社増加し、少額短期保険が1社減少している。
再保険の契約額が順調に伸びていることで売上高は事業開始以降、順調に拡大している。
また、利益面では保険金の支払いが減少したことにより2期ぶりに増益に転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
(1) 2016年9月期の業績について
アドバンスクリエイト (T:8798)の2016年9月期の連結業績は、売上高が前期比0.3%増の7,295百万円、営業利益が同17.3%減の954百万円、経常利益が同19.0%減の926百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.5%減の582百万円と増収減益決算となった。
業界を取り巻く市場環境としては、2016年2月に日銀がマイナス金利を導入した影響で、一時払い終身保険等の貯蓄性保険商品の販売停止や、代理店手数料料率の低下、改正保険業法に対応するための管理体制強化等、厳しい状況が続いた。
こうしたなかで、同社はメディア事業や再保険事業が増収増益となったものの、主力の保険代理店事業の収益が想定以上に落ち込み減益要因となった。
ただ、6月以降はリスティング広告やSNS、キュレーションサイト等を活用した効果的なプロモーション施策が奏効し、資料請求件数や直営店のアポイントメント件数も増加し始めており、第4四半期だけで見ると前年同期比で2ケタ台の増収増益に転じている。
a)保険代理店事業
保険代理店事業の営業収益は前期比3.1%減の6,426百万円、営業利益は同38.2%減の630百万円となった。
営業収益は3期連続の減収となっている。
前述したようにマイナス金利導入の影響により、一部の貯蓄性商品の販売停止や手数料料率低下、保険業法改正に伴う管理体制強化等の影響が出た格好だ。
手数料率については平均で4%程度低下し、250百万円程度の減収減益要因になったと見られる。
チャネル別の申込ANP(新契約年換算保険料)で見ると、対面販売が前期比5.0%減、通信販売が同17.4%減、協業店が同22.5%減といずれも減少し、合計では同12.7%減となった。
保険料の高い終身保険等の貯蓄型保険商品の契約が落ち込んだため、申込ANPの減少幅も大きくなっている。
また、2016年9月末の保有契約件数は、前期比で3.1%増の482千件と伸び率こそ鈍化したものの増加基調が続いている。
一方、前期から取り組んできた対面型販売における生産性向上施策については2016年9月期もその効果が継続して出ており、営業スタッフ1人当たりANPで前期比8.6%の増加と2期連続で増加した。
具体的な、取り組み施策としては、営業スタッフの日々の業務フローの中で、無駄になっている時間を抽出し、契約獲得に向けた能動的な顧客アプローチ(電話による予約アポイントメント等)などを行うなど、業務プロセス・マネジメントを各店舗で導入、強化してきた。
貯蓄性商品の厳しい販売環境が続いたなかで、ANPが増加したことは注目される。
b)メディア事業
メディア事業の売上高は前期比159.4%増の917百万円、営業利益は同190.7%増の222百万円と大幅増収増益となった。
保険販売の市場環境が厳しくなるなかで、改めて「保険市場」の媒体価値の高さが評価され、保険販売代理店だけでなく保険会社からの直接の出稿も増加したことが急成長の要因となっている。
c)再保険事業
再保険事業の売上高は前期比14.8%増の638百万円、営業利益は同80.5%増の99百万円となった。
引受保険会社数は10社と前期から変わらなかったが、内訳としては生命保険が1社増加し、少額短期保険が1社減少している。
再保険の契約額が順調に伸びていることで売上高は事業開始以降、順調に拡大している。
また、利益面では保険金の支払いが減少したことにより2期ぶりに増益に転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)