今週の市場は、米国の金融政策の方向性と米国の労働市場の健全性に関する最新の指標発表まで、米中の貿易戦争の中止を歓迎する可能性が高い。
トランプ大統領と習近平国家主席との週末の会談で、1月1日から2000億ドル相当の中国製品に対して関税を引き上げないことに合意した。両国は90日以内に合意に至ることを目標として、新たに貿易交渉を行う。もし新たな合意が得られない場合、10%の関税は25%に引き上げられる。世界経済の成長の牽引役である2大経済圏間の貿易摩擦は、世界の金融市場を失望させていた。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、水曜日に議会で経済見通しについて証言する予定だ。先週、パウエル議長は金利が中立水準の「わずかに下」だと述べたことで、市場はFRBが利上げペースを遅らせる可能性があると受け止めた。
FRBは今月下旬に開催されるFOMCで今年4回目の利上げをすると予想されており、2019年には3回以上利上げを実施する可能性があることを示唆していたが、市場は現在、来年は1回のみと予想している。
金曜日に公表予定の11月の雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが鈍化し、平均賃金は若干上昇すると予想されている。平均賃金の上昇は、12月の利上げ予想を裏付けるものとなるだろう。
市場はまた、英国議会でのブレグジットに関する討論の進行状況を見て、ポンドの方向性を決定するだろう。
ドルは、米中首脳会談の前に楽観論が勝り、金曜日に上昇し、 ドルインデックスは、0.44%高の97.12となった。
先週末ユーロは弱く、 EUR / USDは0.67%安の1.1316だった。
ドルは円に対してわずかに高く、 USD / JPYは0.08%高の113.57だった。
ポンドはブレグジットの不確実性が高まったことで、2週間ぶりの安値に向けて下落し、 GBP / USDは0.3%安の1.2747となった。
Investing.comは市場に影響を及ぼす可能性のある重要なイベントのリストを下記に作成した。
12月3日(月)
09:30 豪建築許可件数
18:30 英製造業購買担当者指数
20:30 クラリダFRB副議長発言
22:00 クオールズFRB副議長発言
23:15 ウィリアムズFOMC委員発言
12月4日(火)
00:00 ISM製造業購買担当者指数
00:30 ブレイナードFOMC委員発言
03:00 カブランダラス地区連銀総裁発言
12:30 豪政策金利発表
18:15 カーニー・イングランド銀行総裁がブレグジットについて証言
英国議会は、12月11日の臨時投票に先立ち、メイ首相のブレグジット計画について5日間の議論を開始
18:30 英建設業購買部協会景気指数
12月5日(水)
00:00 ウィリアムズFOMC委員講演
09:30 豪第3四半期GDP
17:30 ドラギECB総裁がフランクフルトで講演
18:30 英サービス業購買担当者指数
22:15 ADP非農業部門雇用者数
12月6日(木)
00:00 ISM非製造業購買担当者指数
00:00 カナダ銀行政策金利発表
00:15 パウエルFRB議長が議会で経済見通しについて証言
09:30 豪小売売上高、貿易収支
22:30 米失業保険申請件数、貿易収支
22:35 ポロス・カナダ銀行総裁がトロントで講演
12月7日(金)
08:30 日本家計支出
08:45 パウエルFRB議長がワシントンで講演
22:30 カナダ雇用統計
22:30 米雇用統計