火曜日の米ドルは他の通貨に対して下落したが、メイ英国首相がブレグジット計画の採決を延期したことで起きた前日の急激な下げからポンドは反発した。
ドルインデックスは午後6時50分時点で0.26%安の96.930となっている。ドルインデックスは月曜日に0.73%上昇し、急激なポンドの下落の影響で一週間の安値水準から回復した。
以前より早く連邦準備制度理事会(FRB)が利上げサイクルを一時停止する可能性があるという見方が強まったことで、米ドルは下落していた。
米国10年債利回りは今週3カ月ぶりの低い水準に低下した。これはFRBの関係者からのハト派なコメントや軟調な米国の経済指標が、金融引き締めサイクルの急速な停止見通しをさらに強めたからである。
IG証券のシニアFXストラテジストである石川順一氏は、「米国債利回りが下落すれば、ドルはダウントレンドに向かうだろうが、おそらく現時点ではそうならないだろう」と述べた。「ヨーロッパの政治的な懸念があるユーロや安全資産としてドルに劣る円への需要は現在それほどない。もちろん、ブレグジット問題に悩まされているポンドも同じだ」とも付け加えた。
2017年4月以来の最安値である1.2507を下回った前日の1.3%の下落の後、ポンドは押し上げられ GBP / USDは、0.44%高の1.2617となった。
ユーロはポンドに対して3ヶ月ぶりの高値から下落し、 EUR / GBPは0.21%安の0.9021となった。
議会で採決の見込みが立たないことから、メイ首相がEUと交渉したブレグジット計画の採決延期を決定したことで月曜日のポンドは弱かった。この突然の決定により、合意なしの離脱やEU加盟に対する新たな国民投票など今後の様々な可能性を広げることになった。
ユーロは米ドルに対し強く、 EUR / USDは0.25%上昇して1.1382となった。
米ドルは円に対し月曜日に0.6%上昇した後、 USD / JPYは0.24%安となり、113.08で取引された。
FPG証券の深谷幸司社長は、「米国の景気後退懸念や現時点ではあまりにも無理やりなFRBの金融引き締め政策の変更というだけでは、ドルに対して非常に弱気なシナリオを描くのは難しい。世界的なリスクオフとなる出来事がある場合は、リスク回避がアメリカで起きていない限り、ドルに需要が集まるだろう」と述べた。