先週の新興市場では、日経平均とともにマザーズ指数、日経ジャスダック平均とも上昇した。
米中株高など外部環境の改善を背景に日経平均が一時21500円台を回復すると、新興市場でも投資家心理が上向いた。
バイオ株を中心に活況となり、マザーズ指数はおよそ1カ月半ぶりに950pt台を回復する場面があったものの、週末にかけては利益確定売りが出た。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.0%であったのに対して、マザーズ指数は+2.6%、日経ジャスダック平均は+0.7%だった。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で1.9%安、ミクシィ (T:2121)が同1.4%安となる一方、サンバイオ (T:4592)が同1.8%高となるなどマザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。
ラクスル (T:4384)は決算が好感されて同19.7%高と急伸。
売買代金上位ではバイオ株のオンコリスバイオファーマ (T:4588)やナノキャリア (T:4571)が大きく買われた。
また、窪田製薬HD (T:4596)が週間のマザーズ上昇率トップだった。
米航空宇宙局(NASA)との共同事業に期待した買いが続いたようだ。
一方、ジャパンインベストメントアドバイザー (T:7172)などは軟調で、ベストワンドットコム (T:6577)が下落率トップだった。
ジャスダック主力ではワークマン (T:7564)が同7.0%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同4.7%高と堅調。
売買代金上位では、中国で関節リウマチ治療薬に係る特許査定を受けたカルナバイオサイエンス (T:4572)などに物色が向かった。
また、ケイブ (T:3760)などが週間のジャスダック上昇率上位に顔を出した。
反面、エムティジェネックス (T:9820)は手仕舞い売りがかさんで値を崩し、下落率トップとなった。
なお、先週は4社が新規上場し、3月のIPOラッシュが本格的にスタートした。
3月13日上場のサーバーワークス (T:4434)は公開価格の約3.8倍、15日上場のカオナビ (T:4435)は約2.0倍となる高い初値を付けた。
年初からここまで10社連続で初値が公開価格を上回っている。
今週の新興市場では、引き続き中小型の材料株やテーマ株物色が活発となりそうだ。
日経平均は21500円近辺でややこう着感を強めており、個人投資家は値動きの軽い中小型株でより大きな値幅を狙う動きを見せている。
IPOラッシュが続き、新規上場銘柄も引き続き活況となりそうだ。
ただ、世界経済の減速懸念など外部環境に不安を抱え、マザーズ指数も右肩上がりの上昇までは期待しにくい。
祝日を挟むことも投資家動向に影響を与えるだろう。
5月1日の改元が迫り、関連銘柄とされるAmidAHD (T:7671)への物色が引き続き活発だ。
決算を挟み成長期待が続くラクスルも、改元に伴う印刷需要の増加が想定され、関連銘柄として注目したい。
ほかにHEROZ (T:4382)、メドピア (T:6095)などテーマ性のある銘柄は循環物色の流れが続く。
なお、今週は3月22日にオプトエレクトロニクス (T:6664)が決算発表を予定している。
IPO関連では、共栄セキュリティーサービス (T:7058)(3月18日)など5社が新規上場する。
特に19日は3社同時となるため、初値買い資金の分散を想定する必要がある。
しかし、個人投資家になじみのあるミンカブ・ジ・インフォノイド (T:4436)を中心に買いを集めそうだ。
また、20日上場のギークス (T:7060)もIT人材仲介ベンチャーとして比較的注目度が高く、動向を注視したい。