1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:短観悪化で政策期待高まる■前場の注目材料:洋缶HD、19年3月期の営業利益予想を下方修正および特別利益計上■商船三井、LNG発電船事業参入、トルコ社と連携■短観悪化で政策期待高まる1日の日本株市場は下値不安が強いものの、底堅い相場展開が意識されそうだ。
3月29日の米国市場では、NYダウが211ドル高となった。
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表やムニューシン米財務長官らが米中協議を終了し、週明けの交渉継続を明らかとし、協議進展への期待から買いが先行した。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円高の21260円。
円相場は1ドル110円90銭台とやや円安に振れて推移している。
また、英議会下院は29日、欧州連合(EU)離脱案のうち離脱条件を定めた「離脱協定案」だけを切り離して採決し、反対多数で否決した。
4月12日に合意なき離脱となる可能性が高まったが、離脱案の否決については想定されていたこともあってか、週末の欧州市場は上昇している。
その他、中国国家統計局が31日発表した3月の製造業PMIは50.5となり、2018年10月以来5カ月ぶりに節目の50を上回った。
旧正月の特殊要因のほか、中国政府の景気対策が効き始めた可能性があるとの見方から、こちらもやや安心感につながりそうだ。
これらの要因を背景に底堅い相場展開が期待されそうだ。
また、日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)が発表される。
米中貿易摩擦や中国経済の減速などを背景に、大企業製造業の業況判断DIが2四半期ぶりに悪化するとみられている。
リセッション(景気後退)の前兆とされてきた米国の長短金利の逆転(イールドカーブの逆転)に対する警戒感が根強いなかで、日銀の対応が注目されやすいところであり、政策期待が高まりやすい。
なお、きょう新元号が発表される。
一部報道によると、発表は11時30分と伝えられている。
前引け後の発表となるため、発表後は新元号に関連する銘柄を探る流れとなり、関連銘柄へは短期筋の値幅取り狙いの資金が向かいやすい。
一過性ではあろうが、関連銘柄はメディアで報道されやすく、知名度が高まることよって意外と物色は長期化しやすいだろう。
そのほか、新年度入り以降は様々な法制度などの変更もあり、日経平均は不安定な中でも、個人主体の短期資金がそれぞれのテーマ株等に向かいやすいだろう。
■洋缶HD、19年3月期の営業利益予想を下方修正および特別利益計上洋缶HD (T:5901)は29日、2019年3月期業績予想の修正を発表。
売上高は従来の7900億円を据え置いているが、営業利益は280億円から260億円に下方修正している。
富士テクニカ宮津における売上高減少の影響や一部のたな卸資産の評価について保守的に見直した。
なお、政策保有株式の売却で45億円の特別利益を計上すると発表。
最終損益は190億円から195億円に上方修正した。
■前場の注目材料・日経平均は上昇(21205.81、+172.05)・NYダウは上昇(25928.68、+211.22)・ナスダック総合指数は上昇(7729.32、+60.16)・シカゴ日経225先物は上昇(21260、大阪比+70)・1ドル110円90-00銭・SOX指数は上昇(1395.51、+21.71)・VIX指数は低下(13.71、-0.72)・米原油先物は上昇(60.14、+0.84)・米中貿易戦争終結への期待感・日銀のETF購入・商船三井 (T:9104)LNG発電船事業参入、トルコ社と連携・豊田織 (T:6201)エンジン用カムシャフト、年産能力3割増550万本、来年度めど・三菱自 (T:7211)車載ソフト、都内に拠点、開発者を確保・大陽日酸 (T:4091)導電性持つフッ素樹脂、コーティング材開発・岩谷産 (T:8088)関西・東海に7ヶ所、水素ステーション、今年度、建設急ピッチ☆前場のイベントスケジュール・10:45 中・3月財新製造業PMI(予想:50.0、2月:49.9)
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